浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
J16_0991A01: | 給ふ事なかれ。 |
J16_0991A02: | 抑宸翰の御本は。卷の内には題號なし。ただ表紙の |
J16_0991A03: | 上に。法然上人行狀繪圖と題せられたり。今敕修吉 |
J16_0991A04: | 水大師御傳を標題し侍る事は。吉より相傳へて。敕 |
J16_0991A05: | 修の御傳と稱したる上。今又あらたに。圓光大師の |
J16_0991A06: | 徽號ををくり給りてしゆへなり。かの唐の百丈淸規 |
J16_0991A07: | は天下禪刹の通規なり。しかるに。此書久しく世に行 |
J16_0991A08: | はれてし後。損益のあやまりおほく侍りければ。元 |
J16_0991A09: | 朝の德輝禪師。これをなげきて。挍正添削せばやと思 |
J16_0991A10: | はれしかども。私の刪修は。天下の諸刹に通用しが |
J16_0991A11: | たき事をやはばかりけん。殊に朝廷に奏聞して。敕 |
J16_0991A12: | 許をかうふり。刪定すでにをはりしかば。やがて敕 |
J16_0991A13: | 修百丈淸規と題せられける。異國のためしも。思ひ |
J16_0991A14: | 出られて侍り。いはんや此御傳の總修は。初め敕詔 |
J16_0991A15: | より事をこりて。また敕裁に及び。終に敕筆に事成 |
J16_0991A16: | てければ。敕修の中に。殊に勝れてかたじけなき物 |
J16_0991A17: | なるをや。かれは諸寺の通用をはかりて。敕修の字 |
J16_0991B18: | をそへ。これは萬人の信敬を思ひて敕修の字をくは |
J16_0991B19: | ふ。其おもむきは。やや異なれども。護法の叡功は。 |
J16_0991B20: | はやく同じかりけり。からのやまとのいにしへも今 |
J16_0991B21: | も。かくばかり國王大臣の。外護の力のとぼしから |
J16_0991B22: | ざるを思ふに付て。今さら。靈山の昔の附屬の驗し |
J16_0991B23: | あるに感じ。なを彌陀一敎。利物偏增の末代までも。 |
J16_0991B24: | 此御傳を見侍らん人人。俗諦の敬ひより。眞諦の信 |
J16_0991B25: | をおこして。解脱の門にいりねかしと。思ひ侍るに |
J16_0991B26: | ぞ。古今の美號に任て。敕修吉水圓光大師御傳とは。 |
J16_0991B27: | 標題し侍るものならし源尊氏公。宸翰の御傳を拜覽して奉納の爲に。三合の唐〓を寄進せらる |