浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J16_0988A01: | いとねんごろなりける護法の叡慮に。御心感ぜさせ |
J16_0988A02: | 給ひて。今又あらたに四十八卷の繪詞を調られて。 |
J16_0988A03: | 尊光法親王になん。まいらせらるべしとて。延寳の |
J16_0988A04: | 比。土佐法眼常照。住吉法眼具慶に仰せて。御傳の |
J16_0988A05: | 畫圖をうつさせられけり。丹靑いまだ半ならざりけ |
J16_0988A06: | る程。門主はからざるに。かくれさせ賜ひにけれ |
J16_0988A07: | ば。本意なしとや思召れけん。其後はいつとなく。 |
J16_0988A08: | 其御沙汰もやみにけり。畫圖のならざりしは。いと |
J16_0988A09: | をしく侍れども。やんごとなき。護法の叡志は。ま |
J16_0988A10: | た後の世の模範なるべしと。かたじけなくぞ侍るめ |
J16_0988A11: | る。 |
J16_0988A12: | つらつら御傳の縁起を按ずるに。誠に僧中の公傳に |
J16_0988A13: | して。今古に比類なき事にぞ侍る。其ゆへは。門人の |
J16_0988A14: | 舊記は。上世の實錄なれども。をのをの知れる所を |
J16_0988A15: | のみ。記せられしかば。たがひに書もらせる事。な |
J16_0988A16: | きにしもあらず。さればあまねく。諸傳を通はしめ |
J16_0988A17: | ん事もわづらはしかるべきに。法印の總修は。數編 |
J16_0988B18: | の傳記にのする所。ことごとくそなはりて。さらに |
J16_0988B19: | 搜索のわづらひなし。いとめでたからずや。又惣修 |
J16_0988B20: | の功は。さるものから。もし此宗の人の手になん |
J16_0988B21: | 出たらましかば。猶うたがふ人も侍らんを。台宗の |
J16_0988B22: | 法印。平等利益の公心より。ただ法のために記せら |
J16_0988B23: | れけん。其私なき程。また思ひやるべし。又たとひ |
J16_0988B24: | 他門の人なりとも。專修の行者ならましかば。所弘 |
J16_0988B25: | の法を執ずる習ひに。能弘の人師にも。過讃の詞や。 |
J16_0988B26: | まじふらんと。猶いぶかしさを殘す人も侍るべき |
J16_0988B27: | に。かけまくも。かしこきみことのりにをそれて。舊 |
J16_0988B28: | 記の世にも事のしげく。また要ならざるをば。ある |
J16_0988B29: | をだにのぞかれて侍り。王事もろいことなし。法印あ |
J16_0988B30: | に私をいれめや。ただ舊記のままに書寫して。潤文 |
J16_0988B31: | 挍正の御再治をば。あふぎて天裁にゆづり奉られけ |
J16_0988B32: | る。法印の案げにかしこくぞ覺え侍る。これより文 |
J16_0988B33: | 章も。いまひとしほ色はへて。御傳の光いやまさり |
J16_0988B34: | ぬ。をよそ古今諸師の傳記おほかる中に事蹟のつま |