浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J16_0983A01: | 敕修吉水圓光大師御傳縁起 |
J16_0983A02: | |
J16_0983A03: | 法然上人行狀畵圖一部四十八卷は。九十二代後伏見 |
J16_0983A04: | 上皇。叡山功德院舜昌法印に敕して。昔年吉水門人 |
J16_0983A05: | の記する所の。數部の舊傳を集めて。大成せしめ給 |
J16_0983A06: | ふにぞ侍る。これによつて世の人。敕集の御傳と稱 |
J16_0983A07: | して。ことに尊重する事にはなりぬ。つらつらこれ |
J16_0983A08: | を拜閲するに。行狀の詳悉にして。文章の優美なる |
J16_0983A09: | 事。諸傳に比類なし。安心起行の要義は。吉水の遺 |
J16_0983A10: | 訓玉をつらね。念佛往生の靈驗は。僧俗の先縱鏡を |
J16_0983A11: | かけたり。誠に大師一代の化儀を記すといへども。 |
J16_0983A12: | 兼てはまた發心の勝縁西方の良導なるものをや。昔 |
J16_0983A13: | 我大師御在世の時。常に左右に親炙しける門弟の中 |
J16_0983A14: | に。聖覺法印隆寬律師勢觀上人など。をのをの。師 |
J16_0983A15: | の行業を錄しとどめられける。傳記數編古より世に |
J16_0983A16: | 行はれて。大師の道跡いちじるし。又まのあたり。 |
J16_0983A17: | 吉水の敎化に浴し給へる。君臣僧俗の行狀も。あひ |
J16_0983B18: | つゐで門人の記せる傳文。あまた世にとどまりて。 |
J16_0983B19: | 共に當時の實錄にして。後の世の鏡なりけり。しか |
J16_0983B20: | あれど。祖師を去こと。やや遠ざかりゆくままに。 |
J16_0983B21: | 背宗の徒又きをひをこりて。みだりに傳記を作爲せ |
J16_0983B22: | しより。玉石すこぶる色をあらそひ。眞僞ほとほと |
J16_0983B23: | 跡をみだす。かくては。末の世の人のまよひ。法の |
J16_0983B24: | わざはひなるべし。爰に後伏見上皇。本より大師の |
J16_0983B25: | 德行を。御信仰ましましけるが。叡慮もかたじけな |
J16_0983B26: | く。かかる事をや思召されけん。上人の道跡より。 |
J16_0983B27: | 弘敎の門弟。歸依の君臣等の行狀に至るまで。ただ |
J16_0983B28: | 吉水門人の。をのをの記し置る。舊記をかんがへて |
J16_0983B29: | 事の同じきをはぶき。跡の異なるをひろひ。數編の |
J16_0983B30: | 傳記を總修して。一部の實錄となし。萬代の龜鑑に |
J16_0983B31: | そなへまうすべき旨。舜昌法印に仰下さる。法印つ |
J16_0983B32: | つしみ承りて近代杜撰の濫述をば擇びすて。ただ門 |
J16_0983B33: | 人舊記の實錄をのみ取用て。類聚して編をなせり。 |
J16_0983B34: | しげきをかりては。要をあつめ。漢字を譯しては。 |