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J2340 円光大師御伝縁起 忍澂 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J16_0984A01: 和語となし見る人ごとに。尋やすくさとりやすから
J16_0984A02: しむ。をよそ二百三十七段。段ごとに畫圖をあらは
J16_0984A03: し。卷を四十八軸にととのへて。奏進せらる。上皇
J16_0984A04: 叡感かぎりなく。更に才臣に命じて。事實を校正
J16_0984A05: し。文章を潤色せしめ。繪所に仰てくはしく丹靑の
J16_0984A06: 相を成しめ給ふ。しかのみならず。行狀の詞は。上
J16_0984A07: 皇まづ宸翰を染させ賜へば。後二條帝伏見法皇も。
J16_0984A08: 共に御隨喜ましまして。同じく宸筆を染させたまへ
J16_0984A09: り。又能書の人人。靑蓮院尊圓法親王。三條太政大
J16_0984A10: 臣實重公。姊小路庶流從二位濟氏卿。世尊寺從三位
J16_0984A11: 行尹卿從四位定成卿に敕して。をのをの傳文を書し
J16_0984A12: め給へり。所謂一二三七八の五卷は。後伏見上皇の
J16_0984A13: 宸翰なり。十四十五但月輪禪閤より下は。尊圓親王筆廿二但或人より下は行尹卿筆廿
J16_0984A14: 五廿六但上野國御家人より下は。濟氏卿筆卅三卅四卅五卅六但勝法房の一段。濟氏卿筆
J16_0984A15: 七卅八卅九四十二の十三卷は。後二條帝の宸翰なり。
J16_0984A16: 第四十は伏見法皇宸翰なり。九十十一十二十三十八
J16_0984A17: 三十の七卷は。尊圓親王の筆なり。第卅一は實重公の
J16_0984B18: 筆なり。十六十七廿四廿七廿八廿九卅二四十一四十
J16_0984B19: 三四十四四十五四十六四十七四十八の十四卷は。濟
J16_0984B20: 氏卿の筆なり。四五六廿一但又一紙より下は。濟氏卿筆廿三の五卷
J16_0984B21: は。行尹卿の筆なり。十九但仁和寺に栖尼より下は。行尹卿筆二十但遠江國より下
J16_0984B22: は。濟氏卿筆の二卷は定成卿の筆なり。かくて四十八卷の
J16_0984B23: 繪詞。やうやく繕寫事をはりにしかば。上皇斜なら
J16_0984B24: ず悅ばせ給ひて。繕寫の御本をば。やがて官庫にぞ
J16_0984B25: 納められける。上皇又思召れけるは。もしながく官
J16_0984B26: 庫に秘藏せば。利益衆生のはかりごとにあらず。ま
J16_0984B27: たみだりに披露せば。紛失の恐れなきにしもあらず
J16_0984B28: と。依之重てまた。繪詞一本を調られて。副本にそ
J16_0984B29: なへ。かつは世間傳寫の因縁にもなさばやとて。更
J16_0984B30: に御草案の畫圖を。取用ひさせ賜ひて。又一部重寫
J16_0984B31: の叡願をおこさせたまひけるに。これも程なく功成
J16_0984B32: てけり。第一第十一第卅一の三卷は。伏見法皇の宸
J16_0984B33: 翰。第八第廿の二卷は。世尊寺從三位行俊卿の筆。
J16_0984B34: 殘り四十三卷は。後伏見上皇ことごとく宸筆を染さ

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