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J1990 當麻曼陀羅縁起 聖聰 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J13_0704A01: 下方には、上中下品の來迎の義をつくせりとなり、
J13_0704A02: これをきくに、なみだ三のそでをしぼることいへごとも、
J13_0704A03: 心は九品の土にまうづるがごとし、本願の尼、つら
J13_0704A04: つらこの事をおもふに、彌陀の智願として、大聖の
J13_0704A05: 定通なりとおもへり、すなはちこれ生身の如來をお
J13_0704A06: がみたてまつりて、極樂の莊嚴をみるにあらずや、
J13_0704A07: ここに化尼四句偈をつくりていはく
J13_0704A08: 往昔迦葉説法所 〓基今來作佛事
J13_0704A09: 郷懇西方故我來 一入是場永離苦
J13_0704A10: この偈をきくに、なみだをながし、たましひをけす、
J13_0704A11: ときに本願尼、なくなくその由來をとふに、化尼の
J13_0704A12: いはく、われは西方極樂の敎主なり、おりめは、わ
J13_0704A13: が左脇の弟子觀音なりといひて、西方をさしてさり
J13_0704A14: ぬ、そのわかれをしたふに、ふでしてかくといふと
J13_0704A15: も、ことばをもみちてのぶといふとも、ことのたる
J13_0704A16: まじきにはべり、ただなみだのかはかむをもちてか
J13_0704A17: ぎりとせり、
J13_0704B18:
J13_0704B19: 光仁天皇の御宇、寳龜六年三月十四日、本願尼おも
J13_0704B20: ふがごとくに往生す、靑天たかくはれて、紫雲なな
J13_0704B21: めにそびけたり、音樂にしよりきこゆ、迦陵頻伽の
J13_0704B22: さゑづりをなし、聖衆ひんがしにむかふ、攝取不捨
J13_0704B23: のちかひあやまたず、異香ひさしく薰ず、奇瑞ひと
J13_0704B24: つにあらず、末世の珍事、前代いまだきかずとなら
J13_0704B25: し、
J13_0704B26:
J13_0704B27: 群書類從卷第四百三十四載此縁起云
J13_0704B28: 右當麻曼陀羅縁起以相模國鎌倉光明寺所藏後京極殿眞蹟書寫一校
J13_0704B29: 畢畵圖住吉法眼慶雲筆云

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