ウィンドウを閉じる

J1420 和語灯録日講私記 義山・素中 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0690A01: の行者信心無きことを嘆きて三寳に祈る事御傳に在
J09_0690A02: り總して念佛者は念佛の同行と出合ひて信心を增す
J09_0690A03: へし聖道家の行者に出合ふは信心さめる也講釋談義
J09_0690A04: 等も如此可得意喩へは虚性なる人瀉藥を呑みて當
J09_0690A05: 分は善き樣なれとも跡はあしき也淨土の知識にも聖
J09_0690A06: 道の意に寄せて談義説法する人有り必す必すその樣
J09_0690A07: なる法門を不可聽事也○ふかくとは今所云心一
J09_0690A08: はいのこと也○信するとは不疑云信倶舍唯識の論
J09_0690A09: 判に信を云忍許心に尤と許すを云信儒家なとの
J09_0690A10: 信と云とは各別なり兎角我か心一盃に信して許すを
J09_0690A11: 云信也許すとは吾心に實に信して不疑位を許すと
J09_0690A12: 云也此の信に善導大師は機法二種の信を釋し玉へり
J09_0690A13: 委くは疏の如し扨先つ聖道の安心を云はは上に佛の
J09_0690A14: 貴き有り下に凡夫の賤き有り爾れとも本と一佛性に
J09_0690A15: して各別無し喩へは天子の御子と云ふか如し然れは
J09_0690A16: 佛も衆生も同躰にして我等も終には佛に成る也毘盧
J09_0690A17: に坐斷すと云へるか如し如此安心をすゆるは聖道
J09_0690B18: 門の意也淨土門の意は元來は佛と衆生と同體にもせ
J09_0690B19: よ現に世間を見るに上下貴賤生佛の異あり是故に吾
J09_0690B20: 等は惡業の深き凡夫の故に阿彌陀如來を賴みて極樂
J09_0690B21: へ往生せんと思ふは淨土門の安心なり其上淨土門の
J09_0690B22: 意は隨犯隨懺して念佛する也聖道の意は婬欲即是道
J09_0690B23: 恚痴亦復然なとと云也されは聖道と淨土との安心大
J09_0690B24: に各別也兎角淨土の安心は自身をは卑下するなり○
J09_0690B25: 自身は現にこれとは聖道の安心は大名公家の人も日
J09_0690B26: 傭取りふせいにても同一種姓と思ふ故に少しも怖る
J09_0690B27: こと無し淨土は引違へて現に是れ罪惡の凡夫也と信
J09_0690B28: する也如此凡夫は前生萬萬劫にも少しも善根の種
J09_0690B29: を植へす凡夫と成り下てより以來今日まて罪惡の凡
J09_0690B30: 夫也と○曠とは廣遠也曠の字の篇印本作目非也矌
J09_0690B31: 目無眹也又目張貌也扨此印本明の字多く作明是亦
J09_0690B32: 非也明視也尤通明暗之明説あれとも俗に通せしむ
J09_0690B33: るは非正字也○流轉とは流は川の流の如く轉は轉
J09_0690B34: 起とて車の廻るか如く段段に轉起するなり今時の人

ウィンドウを閉じる