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J1410 拾遺和語灯録 了恵輯緑 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0654A01: 來迎し給ふへしと申けに候へとも。小阿彌陀經に
J09_0654A02: は。與諸聖衆現在其前。是人終時心不顚倒。即得往
J09_0654A03: 生阿彌陀佛極樂國土と候へは。人のいのちをはらん
J09_0654A04: とする時。阿彌陀ほとけ聖衆とともに。目のまへに
J09_0654A05: きたり給ひたらんを。まつみまいらせてのちに。心
J09_0654A06: は顚倒せすして。極樂にむまるへしとこそ心えて候
J09_0654A07: へ。されはかろきやまひをせはや。善知識にあはは
J09_0654A08: やといのらせ給はんいとまにて。いま一返もやまひ
J09_0654A09: なき時。念佛を申して。臨終には阿彌陀ほとけの來
J09_0654A10: 迎にあつかりて。三種の愛心をのそき。正念になさ
J09_0654A11: れまいらせて。極樂にむまれんとおほしめすへく候
J09_0654A12: されはとていたつらに。候ぬへからん善知識にもむ
J09_0654A13: かはてをはらんとおほしめすへきにては候はす。先
J09_0654A14: 德達のをしへにも。臨終の時に。阿彌陀佛を西のか
J09_0654A15: へに安置しまいらせて。病者そのまへに西むきに
J09_0654A16: ふして。善知識に念佛をすすめられよとこそ候へ
J09_0654A17: は。それこそあらまほしき事にて候へ。たたし人の
J09_0654B18: 死の縁は。かねておもふにもかなひ候はす。俄にお
J09_0654B19: ほちにてをはる事も候。又大小便利のところにてし
J09_0654B20: ぬる人も候。前業のかれかたくして。太刀かたなに
J09_0654B21: ていのちをうしなひ。火にやけ。水におほれて。い
J09_0654B22: のちをほろほすたくひおほく候へは。さやうにて死
J09_0654B23: 候とも。日ころに念佛申て極樂へまいる心たにも候
J09_0654B24: 人ならは。息のたえん時に。阿彌陀觀音勢至。きた
J09_0654B25: りむかへ給へしと信しおほしめすへきにて候也。往
J09_0654B26: 生要集にも。時所諸縁を論せす。臨終に往生をもと
J09_0654B27: めねかふに。その便宜をえたる事。念佛にはしかす
J09_0654B28: と候へは。たのもしく候
J09_0654B29: このよしをよみ申させ給ふへく候。八つの事しる
J09_0654B30: してまいらせ候。これはのちに御たつね候し御返
J09_0654B31: しにて候
J09_0654B32: 一所作おほくあてかひてかかんよりは。すくなく申
J09_0654B33: さん。一念もむまるなれはとおほせの候事。まこと
J09_0654B34: にさも候ひぬへし。たたし禮讃の中には。十聲一聲

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