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J1400 和語灯録 了恵輯緑 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0511A01: をはかり。時をはかるへきなり。佛の滅後第四の五
J09_0511A02: 百年にだに。智惠をみがきて煩惱を斷する事かたく
J09_0511A03: 心をすまして禪定をえん事かたきがゆへに。人をほ
J09_0511A04: く念佛門にいりけり。すなはち。道綽善導等の。淨
J09_0511A05: 土宗の聖人この時の人なり。いはんやこのころは。
J09_0511A06: 第五の五百年鬪諍堅固の時也。他の行法さらに成就
J09_0511A07: せん事かたし。しかのみならず念佛にをきては。末
J09_0511A08: 法ののちなを利益あるべし。いはんやいまの世は末
J09_0511A09: 法萬年のはじめ也。一念も彌陀を念ぜんに。なんぞ
J09_0511A10: 往生をとげざらんや。たとひわれらそのうつは物に
J09_0511A11: あらずといふとも。末法のすへの衆生にはさらにに
J09_0511A12: るへからず。かつは又釋尊在世の時すら。即身成佛
J09_0511A13: にをきては。龍女のほかはいとありがたし。たとひ
J09_0511A14: 又即身成佛までにあらずといふとも。この聖道門を
J09_0511A15: をこなひあひ給ひけん。菩薩聲聞たち。そのほかの
J09_0511A16: 權者ひじりたち。そののちの比丘比丘尼等。いまに
J09_0511A17: いたるまで經論の學者。法華經の持者いくそばく
J09_0511B18: ぞや。これみな上根上智の人なり。ここにわれらこと
J09_0511B19: きは。たとひ聖道をまなぶといふとも。かの人ひと
J09_0511B20: にはさらにをよふへからず。かくのごときの末代の
J09_0511B21: 衆生を。阿彌陀ほとけかねてさとり給ひて。五劫の
J09_0511B22: あひた思惟して。四十八願をおこし給へり。その中
J09_0511B23: の第十八の願にいはく。十方の衆生。至心に信樂し
J09_0511B24: て。わが國にむまれんとねがひて乃至十念せんに。も
J09_0511B25: しむまれずは。正覺をとらじとちかひ給ひて。すで
J09_0511B26: に正覺をなり給へり。これを釋尊のとき給へる經。
J09_0511B27: すなはち觀無量壽等の三部經なり。しかればすなは
J09_0511B28: ち今日の我等ごときの衆生は。もはら念佛を行して
J09_0511B29: 往生を期すべきものなり。たとひ惡業の衆生等。彌
J09_0511B30: 陀のちかひばかりに。なを信をいたさずといふと
J09_0511B31: も。釋迦のこれを一一にとき給へる三部經。あにひ
J09_0511B32: とことばもむなしからんや。そのうへ又十方諸佛の
J09_0511B33: 證誠もただこの經に見えたり。他の行にをきては。
J09_0511B34: かくのこときの證誠見えず。しかれば時もすぎ。身も

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