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J1400 和語灯録 了恵輯緑 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0505A01: はゆる正行は阿彌陀佛にちかく。雜行は阿彌陀佛に
J09_0505A02: とをし。三には有間無間對。いはゆる正行はおもひ
J09_0505A03: をかくるに無間也。雜行は思をかくるに間斷あり。
J09_0505A04: 四に廻向不廻向對。いはゆる正行は廻向をもちひさ
J09_0505A05: れともをのつから往生の業となる。雜行は廻向せさ
J09_0505A06: る時は往生の業とならす。五には純雜對。いはゆる
J09_0505A07: 正行は純極樂の業也。雜行はしからず。十方の淨土
J09_0505A08: 乃至人天に通する業也。かくのことく信するを就行
J09_0505A09: 立信となつく。三に廻向發願心といふは。過去をよ
J09_0505A10: び今生の身口意業に。修するところの一切の善根を
J09_0505A11: 眞實の心をもて極樂に廻向して往生を欣求する也。
J09_0505A12: これを廻向發願心となづく。この三心を具しぬれは。
J09_0505A13: かならす往生する也
J09_0505A14:
J09_0505A15: 七箇條起請文
J09_0505A16: をよそ往生淨土の人の要法は。おほしといへとも。
J09_0505A17: 淨土宗の大事は。三心の法門にある也。もし三心を
J09_0505B18: 具せさるものは。日夜十二時に。かうべの火をはら
J09_0505B19: ふがことくにすれとも。つひに往生をえすといへり
J09_0505B20: 極樂をねがはん人は。いかにもして三心のやうを心
J09_0505B21: えて念佛すへき也。三心といふは。一には至誠心。
J09_0505B22: 二には深心。三には廻向發願心なり。まづ至誠心と
J09_0505B23: いふは大師釋しての給はく。至といふは眞也。誠とい
J09_0505B24: ふは實也といへり。ただ眞實心を。至誠心と善導は
J09_0505B25: おほせられたる也。眞實といふはもろもろの虚假の
J09_0505B26: 心のなきをいふ也。虚假といふは。貪瞋等の煩惱をを
J09_0505B27: こして。正念をうしなふを。虚假心と釋する也。す
J09_0505B28: べてもろもろの煩惱のをこる事は。みなもと貪瞋を
J09_0505B29: 母として出生するなり。貪といふにつゐて喜足小欲
J09_0505B30: の貪あり。不喜足大欲の貪あり。いま淨土宗に制
J09_0505B31: するところは。不喜足大欲の貪煩惱也。まづ行者か
J09_0505B32: やうの道理を心えて念佛すへき也。これが眞實の念
J09_0505B33: 佛にてある也。喜足小欲の貪はくるしからず。瞋煩
J09_0505B34: 惱も敬上慈下の心をやふらずして。道理を心えんほ

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