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J1400 和語灯録 了恵輯緑 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0472A01: 宿してききし文あり。これを誦せんとおもひいで
J09_0472A02: て。其佛本願力といふ文を誦したりしかは。閻魔法
J09_0472A03: 王たまのかふりをかたふけて。これはこれ西方極樂
J09_0472A04: の彌陀如來の功德をとく文なりといひて。禮拜し給
J09_0472A05: ひき。願力不思議なる事この文に見へたり。佛語
J09_0472A06: 彌勒其有得聞彼佛名號信心歡喜乃至一念當知
J09_0472A07: 此人爲得大利即是具足無上功德彌勒菩薩に
J09_0472A08: この經を付屬し給ふには。乃至一念するをもて。大利
J09_0472A09: 無上の功德との給へり。經の大意これらの文にあき
J09_0472A10: らかなるものなり
J09_0472A11: 次に觀經には。定善散善をときて念佛をもて阿難に
J09_0472A12: 付屬し給ふ。汝好持是語といへるはこれなり。第九の
J09_0472A13: 眞身觀に。光明徧照十方世界念佛衆生攝取不捨とい
J09_0472A14: ふ文あり。濟度衆生の願は平等にして差別ある事な
J09_0472A15: けれとも。無縁の衆生は利益をかうふる事あたは
J09_0472A16: ず。このゆへは彌陀善逝平等の慈悲にもよほされ
J09_0472A17: て。光明あまねく十方世界をてらして。一切衆生に
J09_0472B18: ことことく縁をむすはしめんがために。光明無量の
J09_0472B19: 願をたて給へり。第十二の願これなり。又名號をも
J09_0472B20: て因として衆生を引接し給ふ事を。一切衆生にあま
J09_0472B21: ねくきかしめむがために。第十七の願に、十方世界
J09_0472B22: の無量の諸佛。ことことく咨嗟してわか名を稱せす
J09_0472B23: といはは正覺をとらしと誓給ひて。次に第十八の願
J09_0472B24: に。乃至十念若不生者不取正覺とたて給へり。これ
J09_0472B25: によて釋迦如來この土にしてとき給ふがことく。十
J09_0472B26: 方にも。をのをの恒河沙のほとけましましておなし
J09_0472B27: くこれをしめし給へるなり。しかれは光明の縁はあ
J09_0472B28: まねく十方世界をてらしてもらすことなく。又十方世
J09_0472B29: 界の無量の諸佛。みな名號を稱讃し給へは。きこえ
J09_0472B30: すといふところなし。我至成佛道名聲超十方
J09_0472B31: 究竟靡所聞誓不成正覺とちかひ給ひしはこの
J09_0472B32: ゆへなり。しかれは光明の縁と。名號の因と和合せ
J09_0472B33: は。攝取不捨の益をかうふらんことうたがふへから
J09_0472B34: ず。このゆへに往生禮讃の序にいはく。諸佛所證平

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