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J1400 和語灯録 了恵輯緑 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0468A01: 黑谷上人語燈錄第十一
J09_0468A02:
J09_0468A03: 厭欣沙門了惠集錄
J09_0468A04:
J09_0468A05: しつかにおもむみれば。良醫のくすりはやまひのし
J09_0468A06: なによてあらはれ。如來の御のりは機の熟するにま
J09_0468A07: かせてさかりなり。日本一州淨機純熟して朝野遠近
J09_0468A08: みな淨土に歸し。緇素貴賤ことことく往生を期す。そ
J09_0468A09: の濫觴をたつぬれは。天國排開廣庭天 皇欽明の御世
J09_0468A10: に。百濟國より釋迦彌陀の靈像はしめてこの國にわ
J09_0468A11: たり給へり。釋迦は撥遣の敎主。彌陀は來迎の本尊
J09_0468A12: なれは。二尊心をおなしくして。往生のみちをひろ
J09_0468A13: めむがためなるへし。しかれは小墾田天皇推古の御
J09_0468A14: 時。聖德太子二佛の御意にしたかはせ給ひて。七日
J09_0468A15: 彌陀の名號を稱して。祖王欽明の恩を報じ。御文を善
J09_0468A16: 光寺の如來へたてまつり給ひしかは。如來みつから
J09_0468A17: 御返事ありき。太子の御消息にいはく
J09_0468A18: 名號穪揚七日已此是爲報廣大恩
J09_0468B19: 仰願本師彌陀尊 助我濟度常護念
J09_0468B20: 如來の御返事にいはく
J09_0468B21: 一念穪揚恩無留 何况七日大功德
J09_0468B22: 我待衆生心無間 汝能濟度豈不護
J09_0468B23: 太子つゐに往生の瑞相をあらはして。利益を四海に
J09_0468B24: しめし給ひき。そののち大炊の天皇の御時。彌陀觀
J09_0468B25: 音化し來りて。極樂の曼陀羅ををりあらはして。往
J09_0468B26: 生の本尊とさためをき給ふ。ここに六字の功德粗あ
J09_0468B27: らはれて。二尊の本意やうやくひろまりしかは。慈
J09_0468B28: 覺慈惠等の聖人。みな極樂をねがひてさり給ひき。
J09_0468B29: 惠心僧都は楞嚴の月の前に往生の要文をあつめ。永
J09_0468B30: 觀律師は禪林の花の下に念佛の十因を詠して。をの
J09_0468B31: をの淨土の敎行をひろめ給ひしかとも。往生の化道
J09_0468B32: いまたさかりならさりしに。中比黑谷の上人勢至菩
J09_0468B33: 薩の化身として。はじめて彌陁の願意をあきらめ。
J09_0468B34: もはら稱名の行をすすめ給ひしかは。勸化一天にあ
J09_0468B35: まねく。利生万人にをよふ。淨土宗といふ事は。こ

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