浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0060A01: | 枚起請文は最も奇特なるもの哉。と云ふことなり。 |
J09_0060A02: | 然るに造語の雅ならざるやうに思ふにや。倒置な |
J09_0060A03: | りと云ひて。傳聞法然活如來とすれば。法然上人を |
J09_0060A04: | さして。活如來と云ふことになる故。何の味も無き |
J09_0060A05: | 句となりて。大に語脉を失へり。誰か一人かく誤 |
J09_0060A06: | りを傳へて後。愚者は云ふにや及ぶ。さばかりの |
J09_0060A07: | 珂然和尚だも。吉水實錄の中に。一休和上讚大 |
J09_0060A08: | 師。爲生身如來。所謂道士誠知人者也と述べら |
J09_0060A09: | れしは。智人面前三尺の闇なりと云ふべし。是故 |
J09_0060A10: | に今爰に辨して。禪師の讃意。徒設ならざることを |
J09_0060A11: | 知らしむ。禪師は實に淨家の秘頥をもさぐり得 |
J09_0060A12: | 玉へる人なり。狂雲集上廿八帋歸入淨土の偈二首 |
J09_0060A13: | あり。謂く。前年辱賜大燈國師頂相。予今更衣 |
J09_0060A14: | 入淨土宗。故玆奉還栖雲老和尚。離却禪門最 |
J09_0060A15: | 上乘。更衣淨土一宗僧。妄成如意靈山衆。嘆息多 |
J09_0060A16: | 年晦大燈。又。狂雲大德下波旬。會裏修羅勝負 |
J09_0060A17: | 瞋。古則話頭何用處。幾多辛苦數他珍。意の謂く。 |
J09_0060B18: | 最上乘の禪門は。我機に應ぜざれば。即今離却し |
J09_0060B19: | て。淨土宗に歸入するは。今迄妄りに。如意靈山 |
J09_0060B20: | 大德寺の山號ならんの衆となりて。多年大燈國師の遺法を晦 |
J09_0060B21: | ましたることを嘆息すればなりと。みつべし淨家 |
J09_0060B22: | に投機して。重慚愧の意を述玉へることを。次の偈 |
J09_0060B23: | は。狂雲一休の號は大德寺の天魔波旬なり。會裏とは。 |
J09_0060B24: | 古則話頭にても。心性にても。會得したることに云 |
J09_0060B25: | へども。爰は海會衆裏のこととして。看るがよか |
J09_0060B26: | るべし。謂く大會の裏にて。問答商量すれば。修 |
J09_0060B27: | 羅の勝負の如く徒らに瞋毒を倍增するのみ。さ |
J09_0060B28: | らば古則話頭も。何の用ゐる處ぞ。幾多の辛苦も |
J09_0060B29: | 皆是他の珍寳をかぞへたるにて。自己に所得はな |
J09_0060B30: | きなり。是故に今愚痴に還りて。心外の極樂。活 |
J09_0060B31: | 如來の彌陀をたのみて。淨土を願ふなりと云ことな |
J09_0060B32: | り。嗚呼禪師は大徹大悟の人なりと云へども。徒 |
J09_0060B33: | らに理悟の分際にとどこほらんことを思念して。よ |
J09_0060B34: | く吾大師の遺訓に歸して。自信敎人信す。法門に |