ウィンドウを閉じる

J1330 吉水遺誓諺論附録正流弁 忍澂 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0058A01: 附囑し玉ひぬる。大師の御遺鑑。いとたふとからず
J09_0058A02: や。されば聖光上人は預じめ此法語を相承して。一
J09_0058A03: 宗の源流を立られしかば。鎭西の一派。普天に彌淪
J09_0058A04: し。源智上人は。此遺誓を相承して。大師の遺跡を
J09_0058A05: 繼いて。吉水知恩院の。第二世とあふがれ玉ひき。さ
J09_0058A06: て又大師御入滅の後。背宗の邪義。盛りに起りける
J09_0058A07: 時も。ただ此兩師。特に法滅をなげきて。鎭西は念
J09_0058A08: 佛名義集を著はし。勢觀は選擇要决を作りて。志を
J09_0058A09: 一にし力を勠せて。いたく滅後の邪義をふせぎて。
J09_0058A10: 各各相承の正義を。弘通し玉ひけるを見るにますま
J09_0058A11: す大師の未來智をあふぎ奉るものなり。善言ふて異
J09_0058A12: 端を距ぐものは聖人の徒なりとは。孟子の言なり。
J09_0058A13: 我此兩師に於ても。亦かくいはざらめやは
J09_0058A14: 已上澂和尚の草案を記して。荷法の君子に告ぐる
J09_0058A15: のみ。鎭西の流に浴せん人深く玩味すべし
J09_0058A16: 寳曆癸酉三月春沙門釋慈光於洛東小松谷甘露苑識
J09_0058A17: 右淨業問辨の附錄に載せられたり。然に貞極和尚
J09_0058B18: 法道芝草の附錄に云く。諺論に曰。辨阿上人傳説
J09_0058B19: の詞の中の一枚消息を引いて。勢觀上人へ遣され
J09_0058B20: し本據とせり。恐らくは是れ顚倒の文證なるべし。
J09_0058B21: 謂く鎭西上人。元祖の御言を記す。六箇條の最初
J09_0058B22: に上人言とありて。乃至唯一向に。南無阿彌陀佛
J09_0058B23: と申してぞ。かなはんずなどと書留め玉ふ。其文
J09_0058B24: 相。大師の御言ばに仰せ出されたるを。鎭西物語
J09_0058B25: 集に記し玉へりと見えたり。或は勢觀上人へ。自
J09_0058B26: 筆に遣はされたるを。傳へ聞いて。書記し玉へり
J09_0058B27: とも見えたり。鎭西の記錄尊しといへども。祖師
J09_0058B28: の自筆には比べがたしと今按ずるに。此難勢。諺
J09_0058B29: 論の意を熟知せざるなり。若し大師の御語を。鎭
J09_0058B30: 西の記し玉へるならば。これは是れ直受相承の法
J09_0058B31: 語なれば。勢觀相承と一般なるべし。なんぞ自筆
J09_0058B32: を重んじて。自語を輕んずるや。あやしむべし。
J09_0058B33: 次に勢觀に授け玉ふを傳聞いて。筆記し玉ふとも
J09_0058B34: 見えたりとは。鎭西たとひ傳聞し玉ふとも。何ぞ誓

ウィンドウを閉じる