浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0058A01: | 附囑し玉ひぬる。大師の御遺鑑。いとたふとからず |
J09_0058A02: | や。されば聖光上人は預じめ此法語を相承して。一 |
J09_0058A03: | 宗の源流を立られしかば。鎭西の一派。普天に彌淪 |
J09_0058A04: | し。源智上人は。此遺誓を相承して。大師の遺跡を |
J09_0058A05: | 繼いて。吉水知恩院の。第二世とあふがれ玉ひき。さ |
J09_0058A06: | て又大師御入滅の後。背宗の邪義。盛りに起りける |
J09_0058A07: | 時も。ただ此兩師。特に法滅をなげきて。鎭西は念 |
J09_0058A08: | 佛名義集を著はし。勢觀は選擇要决を作りて。志を |
J09_0058A09: | 一にし力を勠せて。いたく滅後の邪義をふせぎて。 |
J09_0058A10: | 各各相承の正義を。弘通し玉ひけるを見るにますま |
J09_0058A11: | す大師の未來智をあふぎ奉るものなり。善言ふて異 |
J09_0058A12: | 端を距ぐものは聖人の徒なりとは。孟子の言なり。 |
J09_0058A13: | 我此兩師に於ても。亦かくいはざらめやは |
J09_0058A14: | 已上澂和尚の草案を記して。荷法の君子に告ぐる |
J09_0058A15: | のみ。鎭西の流に浴せん人深く玩味すべし |
J09_0058A16: | 寳曆癸酉三月春沙門釋慈光於洛東小松谷甘露苑識 |
J09_0058A17: | 右淨業問辨の附錄に載せられたり。然に貞極和尚 |
J09_0058B18: | 法道芝草の附錄に云く。諺論に曰。辨阿上人傳説 |
J09_0058B19: | の詞の中の一枚消息を引いて。勢觀上人へ遣され |
J09_0058B20: | し本據とせり。恐らくは是れ顚倒の文證なるべし。 |
J09_0058B21: | 謂く鎭西上人。元祖の御言を記す。六箇條の最初 |
J09_0058B22: | に上人言とありて。乃至唯一向に。南無阿彌陀佛 |
J09_0058B23: | と申してぞ。かなはんずなどと書留め玉ふ。其文 |
J09_0058B24: | 相。大師の御言ばに仰せ出されたるを。鎭西物語 |
J09_0058B25: | 集に記し玉へりと見えたり。或は勢觀上人へ。自 |
J09_0058B26: | 筆に遣はされたるを。傳へ聞いて。書記し玉へり |
J09_0058B27: | とも見えたり。鎭西の記錄尊しといへども。祖師 |
J09_0058B28: | の自筆には比べがたしと今按ずるに。此難勢。諺 |
J09_0058B29: | 論の意を熟知せざるなり。若し大師の御語を。鎭 |
J09_0058B30: | 西の記し玉へるならば。これは是れ直受相承の法 |
J09_0058B31: | 語なれば。勢觀相承と一般なるべし。なんぞ自筆 |
J09_0058B32: | を重んじて。自語を輕んずるや。あやしむべし。 |
J09_0058B33: | 次に勢觀に授け玉ふを傳聞いて。筆記し玉ふとも |
J09_0058B34: | 見えたりとは。鎭西たとひ傳聞し玉ふとも。何ぞ誓 |