浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0030A01: | 行に誘はれて。安心も起行も。懶惰懈怠の人と成るべ |
J09_0030A02: | からず。往生極樂の一大事。只この願行相續に極ま |
J09_0030A03: | る。あひ搆へて。心をゆるす事なかれ。然るに。こ |
J09_0030A04: | の妄念稱名に付ては。古も今も。自宗他宗の學者に。 |
J09_0030A05: | 大過不及の論あれば。愚なる人は聞迷ひて。或は疑 |
J09_0030A06: | ひ或は嘆く輩も。世に多ければ。粗ここに記しぬ。 |
J09_0030A07: | なを委曲の事は。この次でには申し盡すべくもあら |
J09_0030A08: | ずさらに別論を待つべし |
J09_0030A09: | 上來の義趣を。とかく云つづくれば。廣けれど。漢 |
J09_0030A10: | 字に畧して。要をとれば。ただ願行相續の一句なり。 |
J09_0030A11: | 此一句の中に。此一段の安心も起行も作業も殘なく |
J09_0030A12: | みな籠ればなり。扨いかなれば必ず願行具足する |
J09_0030A13: | を肝要とはするや。願は目のごとく。行は足のごと |
J09_0030A14: | し。目あれども。足なければ路を行くによしなし。 |
J09_0030A15: | 足ありとも。目なくは。必ず路に迷ひぬべし。此故 |
J09_0030A16: | に目足相扶けて。步を運ぶが如く。助玉への願心の |
J09_0030A17: | 目を開で。南無阿彌陀佛の行の足を。はこぶを。願 |
J09_0030B18: | 行具足とは云なり。されば玄義に云。ただ行のみある |
J09_0030B19: | は。行すなはち孤にして至る所なく。ただ願のみあ |
J09_0030B20: | るは願すなはち虚くして。至る所なし。必ず願と行 |
J09_0030B21: | と相扶けて。所爲みな尅すべし。と云へり扨又いかなれ |
J09_0030B22: | ば。相續するを肝要とはするや。たとひ目足そなはる |
J09_0030B23: | とも步を運ばされば至る所なし運び運びて止まざれ |
J09_0030B24: | ば。ついに必ず至るがごとく。たとひ平生念佛申す人 |
J09_0030B25: | も。後また退轉してその末を遂けざれば。わづかに |
J09_0030B26: | 下種結縁の分と成て。順次の往生は遂けがたし。ただ |
J09_0030B27: | 思ひ立ちぬるその日より多くも少なくも。日日念佛 |
J09_0030B28: | をこたらず。一期退轉せざるを。眞の相續とは云な |
J09_0030B29: | り。これ决定往生の正業なり。往生禮讃に。稱名廻 |
J09_0030B30: | 願無間に相續して。畢命を期として誓て中止せざれ |
J09_0030B31: | との玉ふは是なり。されば念佛の行人もし願行相續 |
J09_0030B32: | の一句にだにも。よく相應しつれば。やがて阿彌陀 |
J09_0030B33: | 佛の上盡一形の本願に乘ずるがゆへに。决定して必 |
J09_0030B34: | 得往生の大益にあづかるなり。但し玄義の十願十行 |