ウィンドウを閉じる

J1320 吉水遺誓諺論 忍澂 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0018A01: 得たるなるべし。いはんや大師。或は念佛往生義を著
J09_0018A02: はし。或は念佛往生要義鈔なとを製り玉ひけるに。
J09_0018A03: その題號にも。又發端の詞にも。みな念佛往生の一句
J09_0018A04: を用ひ玉ひければ。いよいよ此文に。念佛往生吉水遺
J09_0018A05: 誓と題せん事。大師の御心に相應すべし。然らば。常
J09_0018A06: には一枚起請と呼び講に臨んで。吉水遺誓と稱せば。
J09_0018A07: 二つながら相用ゐて。違ふ所あるまじくやと。幸に一
J09_0018A08: 時の問答を記して。今の釋名となすのみ。委くは別
J09_0018A09: 論を待べし。
J09_0018A10: ○今此文を釋するに三科あり一遺誓 二手印 三
J09_0018A11: 總結
J09_0018A12: ○初の遺誓に五段あり
J09_0018A13: 第一段は 安心起行の非濫を揀ぶ もろこし我
J09_0018A14: 朝の段
J09_0018A15: 第二段は 願行相續の正義を示す 唯往生極樂
J09_0018A16: の段
J09_0018A17: 第三段は 疑を通じ奸を防ぐ 但三心四修の段
J09_0018B18: 第四段は 誓を起てて證を請ふ 此外に奧深の段
J09_0018B19: 第五段は 結勸なり 念佛を信せん人の段
J09_0018B20: 右五段の中に。初段は序分なり。二三四の三段
J09_0018B21: は正宗分なり。第五段は流通分なり
J09_0018B22: ○安心起行の非濫を揀ぶ。第一段
J09_0018B23: もろこし我朝のもろもろの智者たちの沙汰し申
J09_0018B24: さるる觀念の念にもあらす又學問をして念のこ
J09_0018B25: ころをさとりて申念佛にもあらす
J09_0018B26: 此第一段は序分なり。大意は。次の正宗分に。淨土
J09_0018B27: 宗の安心起行の正義を示されんが爲に。まづ此段に。
J09_0018B28: 他宗背宗の人の執じ思へる。起行と安心との紛を擧
J09_0018B29: げて。それにはあらずと揀び玉へりこれ眞金を知ん
J09_0018B30: と欲せば。まづ鍮石を辨ぜよと云ふ意なるべし。その
J09_0018B31: 起行と云は。念佛の行なり。これに。心に念ずる觀
J09_0018B32: 念の念佛と。口に念ずる稱名念佛との紛あり。その
J09_0018B33: 中に。彌陀本願の念佛は。ただ南無阿彌陀佛と申す
J09_0018B34: 口稱の念佛なりと云事を。决定せられんために。ま

ウィンドウを閉じる