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J1410 拾遺和語灯録 了恵輯緑 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0647A01: をよそこの條こそ。とかく申にをよひ候はす。めで
J09_0647A02: たく候へ。往生をせさせ給ひたらんには。すぐれて
J09_0647A03: おほえ候。死期しりて往生する人人は。入道とのに
J09_0647A04: かきらす。おほく候。かやうに耳目をおとろかす事
J09_0647A05: は。末代にはよも候はじ。むかしも道綽禪師ばかり
J09_0647A06: こそ。おはしまし候へ返返申はかりなく候。ただし
J09_0647A07: なに事につけても。佛道には魔事と申す事の。ゆゆ
J09_0647A08: しき大事にて候なり。よくよく御用心候へきなり。
J09_0647A09: かやうに不思議をしめすにつけても。たよりをうか
J09_0647A10: がふ事も候ひぬへきなり。めてたく候にしたがひ
J09_0647A11: て。いたはしくおほえ候て。かやうに申候なり。よ
J09_0647A12: くよく御つつし見候て。ほとけにもいのりまいら
J09_0647A13: せさせ給ふへく候。いつか御のほり候へき。かまへ
J09_0647A14: てかまへて。のほらせおはしませかし。京の人人おほや
J09_0647A15: うはみな信して。念佛をもいますこし。いさみあひ
J09_0647A16: て候。是につけても。いよいよすすませ給ふへく候
J09_0647A17: あしさまにおほしめすへからす候。なをなをめてた
J09_0647B18: く候あなかしこあなかしこ
J09_0647B19: 四月三日 源 空
J09_0647B20: 熊谷入道殿
J09_0647B21: 私云。これは熊谷入道念佛して。さまさまの現瑞
J09_0647B22: を感したりけるを。上人へ申あけたりける時の御
J09_0647B23: 返事なり
J09_0647B24:
J09_0647B25: 往生淨土用心
J09_0647B26: 一毎日御所作。六万遍めてたく候。うたがひの心た
J09_0647B27: にも候はねは。十念一念も往生はし候へとも。おほ
J09_0647B28: く申候へは。上品にむまれ候。釋にも上品花臺見慈
J09_0647B29: 主。到者皆因念佛多と候へは
J09_0647B30: 一宿善によりて。往生すへしと人の申候らん。ひが
J09_0647B31: 事にては候はす。かりそめの此世の果報だにも。さ
J09_0647B32: きの世の罪。功德によりて。よくもあしくもむまる
J09_0647B33: る事にて候へは。まして往生程の大事。かならす宿
J09_0647B34: 善によるへしと。聖敎にも候やらん。ただし念佛往

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