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臨終行儀注記

提供: 新纂浄土宗大辞典

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りんじゅうぎょうぎちゅうき/臨終行儀注記

一巻。西大寺湛秀著。一二世紀の書。奈良中性院に所蔵された実海所持の写本で現存。著者は不明であったが、石井教道は、良忠の『往生要集義記』六に「湛秀の臨終記に云く、仏は即ち西国、方祇洹精舎の無常院に準じて、三尺の弥陀の立像を作る」(浄全一五・三一二上)とした記述があり、本書と合致することから、西大寺湛秀の著作であると断定した。全体には臨終行儀についての註釈であり、『往生要集』の影響が色濃い。ただし本文には兜率浄土が出てくるため、南都仏教の影響下にあることが見て取れる。


【所収】続浄一五、仏全七〇


【参考】石井教道「首楞厳院二十五三昧起請に就て」(『仏書研究』四八、一九一八)


【執筆者:伊藤茂樹】