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漢讃

提供: 新纂浄土宗大辞典

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かんさん/漢讃

声明の一つ。梵讃梵語讃に対する語。声明の分類のうち、漢字表記による歌詞の声明および音声物のことをいう。漢讃あるいは漢語讃は、四智漢語讃を指すことが多い。浄土宗では天台のように列讃・着座讃などと区分することがない。現在庭儀式庭讃として、あるいは葬儀式作梵として唱えられる際にも、四智梵語讃を用いている場合が多く、漢讃は使用頻度の少ない曲となっている。偈文は、「オン バサラ サタンバ シギャラカ」で始まる四智梵語讃の漢訳で、『金剛瑜伽略出経』四に出る。「金剛薩埵摂受きむこうさたせしうこ 得為無上金剛とくいぶしょうきむこうほう 金剛言詞歌詠故きむこうげんしかえいこ 願成金剛勝事業げんせいきむこうしょうしげう」(正蔵一八・二四八上)であり、これを漢音(唐音)で唱える。『天台声明大成』では「言詞」の部分を「言辞」と唱えており(八五、一八六、金声堂、一九六七)、『魚山六巻帖』では「辞歌」と唱える(『続天台宗全書』〔春秋社、一九九六〕法儀一・一四九)。


【参照項目】➡梵讃


【執筆者:清水秀浩】