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地獄草紙

提供: 新纂浄土宗大辞典

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じごくぞうし/地獄草紙

現世における罪業を戒め、前世における悪業の報いとして種々の地獄の責め苦を受ける罪人の苦悩と戦慄を描く、平安時代末期に多く制作された絵巻物。現存する代表作として東京国立博物館本(安住院あんじゅういん旧蔵、国宝)、奈良国立博物館本(原家旧蔵、国宝)がある。前者は『正法念処経しょうぼうねんじょきょう』より「火末虫かまつむし」「雲火霧うんかむ処」などの四場面、後者は『起世経きせきょう』より「屎糞しふん所」「鶏地獄」「膿血のうけつ所」など七場面が現存する。また益田家旧蔵の「沙門地獄草紙」(五島美術館などに分蔵、一部は国重要文化財)と呼ばれるものもある。【図版】巻末付録


【執筆者:多川文彦】