魚版のソースを表示

=ぎょばん／魚版=
<ruby>[[犍稚物]]<rt>かんちぶつ</rt></ruby>の一つ。魚の形に彫った<ruby>[[版木]]<rt>ばんぎ</rt></ruby>。<ruby>食堂<rt>じきどう</rt></ruby>や<ruby>集会堂<rt>しゅうえどう</rt></ruby>にいたる廊下などに吊るして、時刻の合図や衆を集めるために<ruby>木槌<rt>きづち</rt></ruby>のような<ruby>[[撞木]]<rt>しゅもく</rt></ruby>で打ちならすもの。<ruby>[[雲版]]<rt>うんばん</rt></ruby>とともに[[版木]]と同様に用いる。打ち方は[[版木]]に準じ一通[[三下]]とし、<ruby>[[喚鐘]]<rt>かんしょう</rt></ruby>の代わりに用いるときは、その[[犍稚法]]（三通[[三下]]）に準じる。さらに厚味があり、より魚の形に似たものは<ruby>[[魚鼓]]<rt>ぎょく</rt></ruby>（ぎょこ）といい、[[禅宗]][[寺院]]でよく見られる。これは共鳴をよくするために中を<ruby>刳<rt>く</rt></ruby>り抜いてある。堂内で[[誦経]]や[[念仏]]の調子取りに広く使われている[[木魚]]のもとになるものである。魚を型取るわけは、魚は夜も昼も決して目を閉じて眠ることがないところから、それを打つ音を聞いて[[仏道]][[修行]]者の怠惰を戒めるためである。
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【参照項目】➡[[雲版]]、[[版木]]、[[木魚]]
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【執筆者：太田正敬】


[[File:ぎょばん【魚版】.jpg|thumb|left|upright=2.5|[[魚版]]]]