難信の機のソースを表示

=なんしんのき／難信の機=
[[阿弥陀仏]]の[[本願力]]により[[往生]]ができることを信じにくい[[機根]]（能力・素質）の人をいう。『[[阿弥陀経]]』では、[[念仏往生]]の教えを「[[難信の法]]」（[[自力]]我執をもつ[[凡夫]]には信じ難い教え）とする。[[難信の機]]とは、その教えを信じにくい[[機根]]の人を表している。[[珂然]]の『[[聞証和尚行状記]]』では①無智の凡愚者、②有智の[[解行]]者の二種があるとしている。①について「<ruby>曽<rt>かつ</rt></ruby>て善本なく[[宿業]]未だ滅せず、[[弥陀]]の願摂[[仏力]]の難思を知らず、故に信ずること能わず」（[http://jodoshuzensho.jp/jozensearch_post/search/detail.php?lineno=J17_0751 浄全一七・七五一下]）と述べるように、[[阿弥陀仏]]の[[本願力]]により、わずか[[一念]][[十念]]の[[念仏]]によって[[往生]]することができると知らないがために信じにくいとしている。②について「自らの[[解行]]を執して、[[生死]]を怖れず、<ruby>妄<rt>みだ</rt></ruby>りに[[浄土]]を軽んじて[[願力]]を信ずることなし。或いは、<ruby>臂<rt>ひ</rt></ruby>を<ruby>攘<rt>はら</rt></ruby>いて以て小教となす。或いは、誤認を以て権乗と為す。或いは、[[浄土]]を信ずと雖も、自らの[[解行]]を<ruby>恃<rt>たの</rt></ruby>んで[[願生]]の心弱し。故にこの法を信じ難し」（[http://jodoshuzensho.jp/jozensearch_post/search/detail.php?lineno=J17_0751 浄全一七・七五一下]）と述べるように、自らの[[解行]]に[[執着]]し、[[生死]]をおそれず、[[阿弥陀仏]]の[[本願力]]を信じず、[[往生]]を願う心が弱いために信じにくいとしている。このように、[[念仏往生]]の教えは、[[機根]]によっては難信とされる。
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【資料】義山『阿弥陀経随聞講録』
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【参考】坪井俊映『浄土三部経概説』（法蔵館、一九九六）
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【執筆者：鷹觜観道】