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=ぞうごう／雑業=

==<span style="border: 1px solid;color: white;background-color: black;font-weight: bold;">一</span>==
身口意による<ruby>善悪<rt>ぜんあく</rt></ruby>さまざまな行為。[[娑婆]][[世界]]のように一界の中に生を受ける各人について、鬼畜、[[人天]]、胎卵湿化等種々雑多の苦果を招く業因となる。『優婆塞戒経』七（[http://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/SAT2018/V24.1071a.html 正蔵二四・一〇七一上]）には、業には黒業黒報（悪なる行為とその報い）・<ruby>[[白業]]白報<rt>びゃくごうびゃくほう</rt></ruby>（善なる行為とその報い）・[[雑業]]雑報・不黒不白是業無報の四種があり、[[雑業]]雑報は[[欲界]]の[[天人]]や[[畜生]]・[[餓鬼]]の業であるとしている。また『[[阿毘達磨]]雑集論』八では、黒黒の[[異熟]]業と白白の[[異熟]]業と黒白黒白の[[異熟]]業と非黒白無[[異熟]]業の四つを挙げ、このうち第三の業について、「黒白黒白[[異熟]]業とは、謂わく[[欲界]]繫の[[雑業]]なり」（[http://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/SAT2018/V31.0731a.html 正蔵三一・七三一上]）と説いている。[[懐感]]の『[[群疑論]]』五には、『[[阿毘達磨]]雑集論』の四つの業を挙げ、[[極楽]]に[[往生]]するための業は四つのうちのどれであるかとの問いに対して二つの説を示している。第一の説は白[[白業]]と[[雑業]]で、第二の説は、この四つの業には入らないとし、その理由の中で、「[[雑業]]は是れ[[欲界]]の[[人天]]の業なるを以って能く雑報を招く。楽果を受くと<ruby>雖<rt>いえど</rt></ruby>も<ruby>亦<rt>また</rt></ruby>苦報を招く。故に[[欲界]]の中には苦楽の果を受く。[[浄土]]に[[往生]]すれば衆苦有ること無く[[一向]][[安楽]]なり。<ruby>寧<rt>むし</rt></ruby>ろ[[雑業]]を以て[[浄土]]の因と為すべけんや」（[http://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/SAT2018/V47.0060c.html 正蔵四七・六〇下]）と説いている。
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【資料】『群疑論探要記』一一
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【参照項目】➡[[業]]
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【執筆者：薊法明】


	
==<span style="border: 1px solid;color: white;background-color: black;font-weight: bold;">二</span>==
[[本願]]行である[[念仏]]以外の[[諸行]]を指す。すなわち、[[善導]]『[[観念法門]]』に「但だ専ら[[阿弥陀仏]]を念ずる[[衆生]]有りて、彼の仏の[[心光]]常に是の人を照して<ruby>摂護<rt>しょうご</rt></ruby>して捨てたまわざれば、総じて余の[[雑業]]の[[行者]]を<ruby>照摂<rt>しょうしょう</rt></ruby>することを論ぜず」（[http://jodoshuzensho.jp/jozensearch_post/search/detail.php?lineno=J04_0228 浄全四・二二八下]）とあり、また『[[往生礼讃]]』に「若し専を捨てて[[雑業]]を修せんと欲するものは、百の時に<ruby>希<rt>まれ</rt></ruby>に一二を得、千の時に希に三五を得」（[http://jodoshuzensho.jp/jozensearch_post/search/detail.php?lineno=J04_0356 浄全四・三五六下]）と述べた直後に、専雑[[二行の得失]]を判じた[[十三得失]]が説かれるため、[[雑業]]とは専称[[名字]]（専[[念阿弥陀仏]]）に対置される語句と考えることができる。
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【執筆者：工藤量導】