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=どうぐえ／道具衣=
[[法衣]]の一つ。[[仏道]]を修するために必要な資具をそなえた[[法衣]]のこと。『[[啓蒙随録]]』には、「[[道具衣]]は官服の法服に準じた物で、<ruby>叮重<rt>ていちょう</rt></ruby>の正服である。従って<ruby>襲<rt>かさね</rt></ruby>に作るのが本式である」（初編二・二二ウ）といい、[[堀井慶雅]]『[[法式教案]]』には、「厳粛な[[法要]]の第一正装である…襟や袖に、紅黄萌黄紫白等の襲色を付け、その襲色を<ruby>衵<rt>あこめ</rt></ruby>色と称する」（第二編[[威儀]]部・第二節[[法服法]]）と説明している。製式は上下を綴り合わせた<ruby>[[直綴]]<rt>じきとつ</rt></ruby>形式の[[法衣]]で、<ruby>襞<rt>ひだ</rt></ruby>は前四・後四の八襞、右腰に腰帯をそなえ、衿の縁は玉縁縫い、<ruby>前身頃<rt>まえみごろ</rt></ruby>に<ruby>衽<rt>おくみ</rt></ruby>を付け、衿・袖は襲（比翼）仕立てとし、袖の身八つ口側裾に角牒を付けるものである。紋の有無については『[[啓蒙随録]]』に「[[道具衣]]・[[直綴]]はともに有紋であるが、吾が宗では有紋・無紋ともに通ずる」と記している。また同書に、「[[道具衣]]は[[禅宗]]よりの名であり、又装束衣という」というように、[[道具衣]]は本来[[禅宗]]の[[法衣]]であるが、これを天台系の[[浄土宗]]が用いる由来については、[[大島泰信]]が『[[浄土宗史]]』に「禅僧であった[[飯沼]][[弘経寺]]第五世[[祖洞]]（魯耕）は、帰浄後も禅服を襲用していた。本宗で禅服を用いるのは、多くこれに淵源する」（[http://jodoshuzensho.jp/jozensearch_post/search/detail.php?lineno=J20_0560 浄全二〇・五六〇]）と述べ、室町時代末期に、禅家の風が移されたものと考察している。[[直綴]]は<ruby>褊衫<rt>へんざん</rt></ruby>と<ruby>裙<rt>くん</rt></ruby>を綴り合わせた一二襞の[[法衣]]で、[[黒衣]]や[[木蘭衣]]（[[茶衣]]）をいう。また[[直綴]]と同じ形式で、紫や萌黄などの[[色衣]]を[[袱紗衣]]という。
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【参考】羽田芳隆「法衣について—道具衣—」（『教化研究』四、一九九三）【図版】巻末付録
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【参照項目】➡[[法衣]]、[[直綴]]、[[袱紗衣]]、[[褊衫・裙]]、[[木蘭衣]]、[[色衣]]
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【執筆者：熊井康雄】