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=ひんじゃのいっとう／貧者の一灯=
国王のような裕福な者が[[供養]]した多くの灯りよりも、貧しい暮らしのなかで捻出された心のこもった、わずか一つの灯りの方がはるかに[[功徳]]が勝るということ。貧女の一灯とも。『賢愚経』三、貧女難陀品（[http://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/SAT2018/V04.0370c.html 正蔵四・三七〇下]～一下）や、『[[阿闍世]]王授決経』（[http://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/SAT2018/V14.0777a.html 正蔵一四・七七七上]～八下）に出る、仏に[[供養]]された灯りの中で、一人の貧しい女が[[供養]]した灯りだけが、消えることなく[[三千大千世界]]を照らし、[[供養]]した女は[[釈尊]]によって[[授記]]されたという逸話による。[[聖聡]]『[[大経直談要註記]]』では『[[無量寿経]]』の「<ruby>繒<rt>かとり</rt></ruby>を懸け灯を然やし、華を散らし香を焼き」（聖典一・二五〇／[http://jodoshuzensho.jp/jozensearch_post/search/detail.php?lineno=J01_0019 浄全一・一九]）の註釈に『[[阿闍世]]王授決経』のこの逸話が引用される（[http://jodoshuzensho.jp/jozensearch_post/search/detail.php?lineno=J13_0246 浄全一三・二四六下]～七上）。
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【執筆者：市川定敬】