西谷義のソースを表示

=せいこくぎ／西谷義=

==<span style="border: 1px solid;color: white;background-color: black;font-weight: bold;">一</span>==
[[西山流]]の一派。[[証空]]の[[弟子]]、[[浄音]]房[[法興]]を祖とする。名称は[[浄音]]の住した[[仁和寺]]西谷の[[光明寺]]（廃寺）に由来。美濃・尾張地方へ展開した六角系、関東や南紀に勢力を伸ばした<ruby>吾妻系<rt>あがつまけい</rt></ruby>などに分派したが、やがて合流。江戸時代には<ruby>粟生<rt>あおう</rt></ruby>[[光明寺]]（京都府長岡京市）と[[永観]]堂[[禅林寺]]を東西の「両[[本山]]」とする一宗派となった。明治以降、数度の再編を経て、[[西山浄土宗]]（[[総本山]][[光明寺]]）と[[浄土宗西山禅林寺派]]（[[総本山]][[禅林寺]]）に分かれて現在に至っている。
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【参照項目】➡[[西山流]]、[[法興]]
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【執筆者：稲田廣演】


	
==<span style="border: 1px solid;color: white;background-color: black;font-weight: bold;">二</span>==
[[良忠]]門下六派の一つである[[一条派]]の別称。派祖の<ruby>礼阿<rt>らいあ</rt></ruby>[[然空]]が[[仁和寺]]西谷の[[法光明院]]に住したことによる。[[一条派]]の呼称は同派が一条の[[浄華院]]（[[清浄華院]]）を拠点に教線を拡げたことに由来するとされるが、[[浄華院]]を拠点としたのは[[然空]]の[[弟子]]の[[向阿]][[証賢]]であり、また三条坊門に所在した[[浄華院]]が土御門室町を経て、現在の一条の地に移ったのは天正年間（一五七三—一五九二）にまで下る。『[[法水分流記]]』では、[[然空]]は「律僧」と注記され、また[[証賢]]の兄弟[[弟子]]で[[法光明院]]を[[相承]]した良然思空にも同じく「律」の注がある。『西大寺[[末寺]]帳』によれば、[[法光明院]]は一四世紀末までに西大寺の[[末寺]]になっており、[[法光明院]]が[[律院]]化したのは[[然空]]の代との推測もある。律僧たちとの交流の中で、[[証賢]]の教系とは異なる独自の教学的展開が見られた可能性もあるが、流派としての独自性を伝える資料は残っていない。
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【参考】松尾剛次「叡尊教団と中世都市平安京」（『戒律文化』六、二〇〇八）
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【参照項目】➡[[一条派]]、[[然空]]
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【執筆者：吉田淳雄】