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袾宏

提供: 新纂浄土宗大辞典

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しゅこう/袾宏

明・嘉靖一四年(一五三五)—万暦四三年(一六一五)。杭州仁和(現・浙江省杭州市)の人。万暦三高僧の一人として、紫柏真可・憨山徳清かんざんとくせいと並び称される。杭州の雲棲うんせいざん住持したことから雲棲袾宏と呼ばれる。念仏と禅とが本来一体であるという禅浄一致説をとなえた。明代に禅浄一致を説く仏教者は多いが、袾宏はその代表といえる。儒教が勢いを持ち無視できない明末の時代にあって、儒学が至らない部分を仏教が分担するという発想をもつ。またその著書『自知録』にあるように功過格を取り入れ、単なる自己省察で終わらぬ徹底的に自己を取り詰める実践をした。著書に『雲棲法彙』三四巻、『禅関策進』『緇門崇行録』『竹窓随筆』『自知録』『阿弥陀経疏鈔』等がある。


【参考】荒木見悟『雲棲袾宏の研究』(大蔵出版、一九八五)、高雄義堅『中国仏教史論』(平楽寺書店、一九五二)、望月信亨『中国浄土教理史』(法蔵館、一九四二)


【参照項目】➡禅浄双修


【執筆者:篠田昌宜】