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衣文

提供: 新纂浄土宗大辞典

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えもん/衣文

着衣の作り出すひだの形の総称。衣紋とも書き、衣襞いへきともいう。仏像仏画では時代や地域によって特徴的な形式が存在し、製作地や年代を特定する指標としても機能する。いくつかの例を挙げると、グプタ朝時代のサールナートでは衣文をほとんど表さない彫刻表現が生み出された。日本では唐の影響を受けて奈良末期から平安前期にかけて、木彫像の普及とともに大きな波と小さな波を交互に繰り返す翻波ほんぱ衣文が流行した。宋・元や高麗の仏画ではちぢれたように表される独特の衣文を見ることができる。


【執筆者:近藤謙】