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葬儀社

提供: 新纂浄土宗大辞典

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そうぎしゃ/葬儀社

葬儀の準備や運営を請け負う業者のこと。石材業、生花業、造花業など葬儀に関連した業者が兼業する場合も多い。葬儀の準備や運営は、元来地域共同体が行ってきたが、その衰退に伴い、葬儀社の果たす役割も大きくなってきた。このため、葬儀社が展開した時期や、地域社会における葬儀社の役割は全国的に画一ではない。明治以前においても、早桶屋はやおけや、早物屋などと呼ばれる棺桶を作る業者が存在したが、明治期には、東京や大阪などの都市部を中心として、棺桶、輿こし、喪服、造花、放鳥籠などの販売・賃貸、葬列の人足手配を請け負う葬儀社が誕生する。大正期、東京においては、葬列の廃止と人口流入による地域共同体の変化によって葬儀社の業務内容も変化し、それまで親族や地域が担っていた実労的補助の役割を肩代わりする形で業務内容を拡大・多様化させていった。この傾向は、戦後、特に高度成長期以降強まり、病院や組合の指定業者となったり新聞雑誌に広告を出すなど、従来の地域に根付く家内商業的で小規模な経営業態から、積極的に浮動顧客を獲得する形態へと変化していった。近年では、葬儀を企画運営する、葬儀のコンサルタント的業務も担うなど、総合情報産業の側面も持つようになっている。


【参考】村上興匡「近代葬祭業の成立と葬儀慣習の変遷」(『国立歴史民俗博物館研究報告』九一、国立歴史民俗博物館、二〇〇一)、同「都市葬祭業の展開と葬儀意識の変化」(『東京大学宗教学年報』二三、東京大学文学部宗教学研究室、二〇〇六)


【参照項目】➡葬送儀礼葬祭ディレクター


【執筆者:名和清隆】