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菩提心論

提供: 新纂浄土宗大辞典

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ぼだいしんろん/菩提心論

一巻。具には、『金剛瑜伽中発阿耨多羅三藐三菩提心論こんごうちょうゆがちゅうほつあのくたらさんみゃくさんぼだいしんろん』という。著者については諸説あり、空海は龍猛造・不空訳とし、円珍は不空編としているが、中国撰述とする説が有力。本書は、菩提心行相について行願・勝義・三摩地の三門を説き、戒などの行によって菩提を証することを勧めている。空海が『弁顕密二教論』(『弘法大師全集』一・四九一)で本書を讃嘆していることからも、本書は真言宗における重要な論として位置づけられている。法然は『選択集』一二で「真言にはすなわち三種の菩提心有り…菩提心論に説くがごとし」(聖典三・一六七/昭法全三三九)といい、本書所説の菩提心善導の説く菩提心とは異なるとしている。


【所収】正蔵三二


【執筆者:鷹觜観道】