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「荘厳数珠」の版間の差分

提供: 新纂浄土宗大辞典

 
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2018年3月30日 (金) 06:25時点における最新版

しょうごんじゅず/荘厳数珠

数珠の一種。百八の水晶などを用いた数珠荘厳服被着のときに用いる。『陀羅尼集経だらにじっきょう』(正蔵一八・八〇三上)には、誦呪、誦経念仏する行者が十波羅蜜功徳を満足し、現身に無上菩提を得るには水晶が第一とされ、水晶の光明清浄無垢なる性質によって、この珠をるものは罪悪業障などに染著ぜんじゃくされず、極楽に熟達することができるとある。荘厳数珠(装束数珠)には本装束数珠(皆水晶)と半装束数珠(水晶と黒柿等)があり、天台宗真言宗などでは灌頂を受けたものが本装束、未灌頂のものが半装束、また導師は本装束、式衆は半装束などの決め事があるが、浄土宗では統一して本装束数珠のみを用い、これを荘厳数珠と称している。荘厳数珠合掌するときは両母珠もしゅを両手の中指に(記子でしを左)、房糸を外にしてかける。入退堂礼拝等をするとき、払子ほっす中啓を合わせて持つときは、両母珠を左手の中指に移し、房糸を薬指と小指の間から内側にはさんで垂らす。経机などに置くときは、卓上左側に両母珠を前方にし、房糸を下にして子珠を手前にする。「然阿良忠像(鏡御影)」(鎌倉光明寺蔵)や「仏立恵照国師像」(清浄華院蔵)などに房の形が異なるものの浄土宗荘厳数珠の古例を窺うことができる。


【参照項目】➡数珠


【執筆者:大澤亮我】