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自力往生・他力往生

提供: 新纂浄土宗大辞典

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じりきおうじょう・たりきおうじょう/自力往生・他力往生

聖光の教説で、自力往生阿弥陀仏本願力に乗ずることなく往生することで、他力往生称名念仏等の行を修せずに往生を得ること。ただし、どちらの語も法然善導曇鸞道綽の教説を正しく伝えていない語とされている。聖光は『徹選択集』で「問うて曰く、ある人の云く、他力往生はこれ往生正行自力往生は全くその正行に非ず。この義如何」(聖典三・三〇九)との問いに対して、当世はこれらの語を用いて浄土教を語る者が多いが、善導曇鸞道綽自力他力往生を説くことはないとし、また「他力往生」を行無くして往生を得ることの意で捉えるような往生の捉え方は「邪義」であるとして厳しく批判している。


【参考】松本史朗「書評・選択本願念仏説と悪人生因説—平雅之氏の所論をめぐって—」(『駒沢大学仏教学部論集』二九、一九九八)


【参照項目】➡自力・他力他力本願


【執筆者:郡嶋昭示】