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=あやどのよねんぶつ／綾渡の夜念仏=
愛知県豊田市綾渡町で盆の時期に行われる、[[新仏]]を[[供養]]するための[[念仏]]行事。かつては若連中（三五歳までの青年）の行事で、旧暦七月の盆に[[新仏]]のある家々を行列を組み[[念仏]]を称えながら回った。行列の先頭には[[極楽]]絵が描かれた<ruby>折子<rt>おりこ</rt></ruby>[[灯籠]]、次に[[香炉]]を両手で捧げた「<ruby>香焚<rt>こうたき</rt></ruby>」、[[念仏]]の音頭をとる「<ruby>音頭<rt>おんど</rt></ruby>」、鉦を<ruby>[[撞木]]<rt>しゅもく</rt></ruby>で叩きながら[[念仏]]を称える「<ruby>側<rt>がわ</rt></ruby>」、最後に[[地獄]]絵の折子[[灯籠]]が続く。衣装は浴衣に下駄を履き、<ruby>菅笠<rt>すげがさ</rt></ruby>をつける。現在は若連中の数が減ったため[[新仏]]のある家々を回ることはなくなり、八月一〇日と一五日に保存会によって[[曹洞宗]][[寺院]]である平勝寺で行われている。夜七時頃に平勝寺の参道の<ruby>幟<rt>はた</rt></ruby>立てに集合して列を組み、「道音頭」を唱えながら移動し、[[石仏]]の前で「辻[[回向]]」、[[山門]]前で「門開き」、観音堂前で「観音様[[回向]]」、[[氏神]]神明宮前で「神[[回向]]」、平勝寺[[本堂]]前で「仏[[回向]]」をそれぞれ唱える。それが終わると折子を[[境内]]中央に立て、その後、[[盆踊り]]が行われる。[[盆踊り]]の唄は伴奏を伴わないもので、越後甚句、御嶽扇子踊り、甚句踊りなど、下駄の音を効果的に使い、独特の身振り手振りや扇子の用い方をして踊る。平成九年（一九九七）国重要無形民俗文化財の指定を受けた。
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【参考】佛教大学民間念仏研究会編『民間念仏信仰の研究　資料編』（隆文館、一九六六）、愛知県史編纂委員会編『愛知県史別編　民俗３　三河』（愛知県、二〇〇五）
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【執筆者：名和清隆】


[[File:あやどのよるねんぶつ【綾渡の夜念仏】.jpg|thumb|left|upright=2.5|[[綾渡の夜念仏]]]]