涅槃分のソースを表示

=ねはんぶん／涅槃分=
[[阿弥陀仏]]の[[浄土]]に[[往生]]したものが、彼の土において得る位のことで、[[涅槃]]の可能性が得られたことをいう。[[曇鸞]]『[[往生論註]]』下の[[清浄]][[功徳]]成就釈に「[[凡夫]]の人、[[煩悩]]成就することあれども、また彼の[[浄土]]に生ずることを得れば、[[三界]]の<ruby>繫業畢竟<rt>けごうひっきょう</rt></ruby>じて<ruby>牽<rt>ひ</rt></ruby>かず、則ち是れ[[煩悩]]を断ぜずして[[涅槃]]の分を得」（[http://jodoshuzensho.jp/jozensearch_post/search/detail.php?lineno=J01_0241 浄全一・二四一上]）とある。[[煩悩]][[具足]]の[[凡夫]]が[[阿弥陀仏]]の[[浄土]]へ[[往生]]することにより、[[往生]]以前に[[煩悩]]を断たなかったにもかかわらず、[[阿弥陀仏]]の[[大願業力]]によって[[涅槃分]]を得ることができる。しかもそれは、[[三界]]において重ねた罪業の軽重に関わりなく得られるものとされる。[[良忠]]『[[往生論註記]]』四には「[[凡夫]]の人、仏[[願力]]に託して[[往生]]を得るとき[[煩悩]]を断ぜず。断惑せざるが故に[[煩悩]]成就す。惑成就すといえども現起せず。現起せざるが故に[[穢土]]に還らざる」（[http://jodoshuzensho.jp/jozensearch_post/search/detail.php?lineno=J01_0317 浄全一・三一七下]）とある。[[煩悩]]成就の[[凡夫]]が[[往生]]したのち、その[[煩悩]]が再び生起することがないため、[[浄土]]にとどまるとされる。
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【資料】『往生論註記』四、『往生論註略鈔』下
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【執筆者：石川琢道】