浄食加持偈のソースを表示

=じょうじきかじげ／浄食加持偈=
[[施餓鬼会]]において[[陀羅尼]]を唱え食べ物を[[加持]]する[[功徳]]を述べた偈文。「<ruby>神呪[[加持]]浄飲食<rt>じんしゅかじじょうおんじき</rt></ruby>　<ruby>普施恒沙衆[[鬼神]]<rt>ふせごうじゃしゅきじん</rt></ruby>　<ruby>願皆飽満捨慳心<rt>がんかいぼうまんしゃけんじん</rt></ruby>　<ruby>速脱[[幽冥]]生善道<rt>そくだつゆうみょうしょうぜんどう</rt></ruby>　<ruby>[[帰依]][[三宝]]発[[菩提]]<rt>きえさんぼうほつぼだい</rt></ruby>　<ruby>究竟得成無上覚<rt>くきょうとくじょうむじょうがく</rt></ruby>　<ruby>[[功徳]]無辺尽未来<rt>くどくむへんじんみらい</rt></ruby>　<ruby>一切[[衆生]]同法食<rt>いっさいしゅじょうどうほうじき</rt></ruby>」。[[遵式]]「施食[[法式]]」（『施食通覧』続蔵五七・一〇八中）に出るが、「恒沙」が「河沙」、「速脱」が「即脱」、「発[[菩提]]」が「学[[菩提]]」とある。『[[諸回向宝鑑]]』一（三〇オ）はこれを出典とするが、「恒沙」「発[[菩提]]」を用い、「速脱」が「悉脱」となっており、[[漢音]]で唱える指示がある。『瑩山[[清規]]』（[http://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/SAT2018/V82.0446b.html 正蔵八二・四四六中]）では、「願皆」が「咸皆」、「速脱」が「悉脱」、「発[[菩提]]」が「学[[菩提]]」、『施食盆供弁誤』（文政一〇年〔一八二七〕）では、「発[[菩提]]」が「学[[菩提]]」、『[[浄土]]<ruby>苾蒭<rt>びっしゅ</rt></ruby>宝庫』では、「覚[[菩提]]」となり、混乱が見られる。今の形になったのは、『[[法要集]]』（昭和一四年版）で、今の『[[法要集]]』の節は昭和一五年版の『[[法要集]]音声部』による。それ以前の節は『[[法要集]]』（明治四三年版）・『[[浄土宗法要儀式大観]]』（一九三三）にある。偈題は「八句偈」（『[[法要集]]』〔明治四三年版〕）、「神呪[[加持]]偈」（『[[浄土宗法式精要]]』、一九二二）と題したことがあるが『[[諸回向宝鑑]]』による。[[陀羅尼]]を唱え食べ物を浄めあまねく無数の[[餓鬼]]に施し、願わくは皆が腹を満たすことによって欲深い心を捨て去り、速やかに[[悪趣]]を離れ善趣に生まれ、[[三宝]]に[[帰依]]して[[菩提心]]を発し、最高の[[悟り]]を得ることができれば、その[[功徳]]は限りなく未来永劫に続く、一切の生きとし生けるものよ、法の食を同じくせんの意。[[維那]]が「神呪[[加持]]」と節付で句読し、[[大衆]]が[[同音]]する。それぞれの句の末尾を二拍取る。
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【参考】『檀信徒にやさしく説く　浄土宗の偈文・真言・陀羅尼』（斎々坊、二〇〇四）
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【執筆者：巖谷勝正】