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法然浄土教の諸問題

提供: 新纂浄土宗大辞典

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ほうねんじょうどきょうのしょもんだい/法然浄土教の諸問題

髙橋弘次著。昭和五三年(一九七八)九月初版が刊行され、平成六年(一九九四)一月改版増補版が山喜房仏書林より刊行。法然浄土教に関する著者の論文を一冊にまとめたもの。発刊から五年足らずで絶版となり、後に増補して発刊された。初版時には、塚本善隆が序文を寄せている。改版増補版は第一部「法然浄土教人間観」、第二部「法然浄土教身土観」、第三部「法然浄土教信仰論(一)」、第四部「法然浄土教信仰論(二)」、第五部「法然浄土教の倫理性」、第六部「浄土宗学の諸問題」よりなっており、浄土宗学に関して種々の考察がなされている。宗学は自らの信仰が「いかにあるべきか」という規範的研究であり、主体的な研究であるとした上で、宗学は学問の領域にありながらそこにとどまることなく、実践教化の領域に向かう学問であると指摘している。本書に所収されている一連の論考は、著者の定義する浄土宗学の立場より考察されたもの。平成一七年(二〇〇五)には、本書の続編として『続法然浄土教の諸問題』が山喜房仏書林より刊行された。


【執筆者:曽根宣雄】