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愛楽仏法味禅三昧為食

提供: 新纂浄土宗大辞典

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あいぎょうぶっぽうみぜんざんまいいじき/愛楽仏法味禅三昧為食

浄土に生まれた衆生は、仏法味を楽しみ、禅定三昧とを食物とすること。「仏法味を愛楽すると、禅三昧食と」(聖典一・三五七/浄全一・一九二)という世親の『往生論』に説く国土荘厳第一四・受用功徳成就の偈文に基づく。『無量寿経』上には「こころじきなりとおもえば、自然じねん飽足ぼうそくす。身心柔軟しんじんにゅうなんにして、味著みじゃくする所なし」(聖典一・二四四/浄全一・一六〜七)とあるように、浄土では思いのままに食物があらわれるが、実際にそれを食べるのではなく、その色や香りを見聞することにより、自然と満足し、身も心も柔和となり、少しも執着することがなくなる。このような浄土の境界をあらわしたもの。


【執筆者:石川琢道】