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=しゆいしょうじゅ／思惟正受=
仏典において「[[思惟]]」と「正受」は一組に説かれることが多いが、訳語に対応する原語は複数存在し、一語に限定されるものではない。しかし例えば[[玄奘]][[三蔵]]訳を参考にすると、『[[俱舎論]]』では「[[思惟]]」はⓈmanasi-√kṛ（心を対象に向けること）に対応する用例が多く、『<ruby>[[瑜伽]]<rt>ゆが</rt></ruby>論』では「正受」はⓈsamāpatti（定、等至）に対応する。このように多くは[[禅定]]や[[三昧]]との関わりにおいて説かれる。[[浄土教]]との関わりで言えば、『[[観経]]』冒頭における用例が知られる。[[韋提希]]が[[釈尊]]に、[[西方]][[極楽]][[世界]]へ[[往生]]する方法を問う箇所「ただ願わくは[[世尊]]、我れに[[思惟]]を教えたまえ、我れに正受を教えたまえ」（聖典一・二九一／[http://jodoshuzensho.jp/jozensearch_post/search/detail.php?lineno=J01_0039 浄全一・三九]）に説かれる。[[極楽]][[世界]]の種々の[[荘厳]]やありようを観想する行法、ならびにその理論的分析との関わりにおいて、ここの「[[思惟]]」と「正受」に注目が集まり、その結果その[[解釈]]に諸説が生じた。浄影『[[観経]]義疏』、天台『[[観経疏]]』、[[善導]]『[[観経疏]]』などに説かれる[[解釈]]が有名。
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【参考】髙橋弘次「選択集の性格について—特に非論理的一面を中心として—」（『恵谷先生古稀記念　浄土教の思想と文化』恵谷隆戒先生古稀記念会、一九七二）、同編『善導集記　観無量寿仏経疏講説』上下（四季社、二〇〇〇）
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【参照項目】➡[[思惟]]、[[思惟定散]]
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【執筆者：中御門敬教】