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律宗

提供: 新纂浄土宗大辞典

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りっしゅう/律宗

戒律の講究と実修を行う宗派。インドで成立した五部の律のうち四部の広律が中国において翻訳され、そのうち『四分律』が最も盛んに研究された。中国や日本における律宗はこの『四分律』に基づくものが中心である。中国では北魏に慧光が『四分律疏』を著して四分律宗の基をなし、隋唐代にいたって法礪ほうれいの相部宗、道宣の南山宗、懐素の東塔宗の三宗が成立する。なかでも道宣は、律三大部を著して律宗を大成。破仏を経て宋代にいたっても、南山律宗は『会正記』著者の允堪いんたんや『資持記』著者の元照がんじょうを得て盛んに伝持された。日本では入唐僧の道光や、道宣の孫弟子にあたる鑑真によって南山律宗がもたらされ、授戒を行う戒壇東大寺、観世音寺、薬師寺、唐招提寺等の諸大寺に建立された。鎌倉期には実範や叡尊、俊芿しゅんじょう凝然等の諸宗を兼学する律僧によって隆盛するも、室町期には戦乱等によって衰微する。江戸期には諸宗の教学と結びついた真言律、安楽律、浄土律、草山律などの諸派が生じた。


【参考】徳田明本『律宗概論』(百華苑、一九六九)


【参照項目】➡興律派


【執筆者:吉水岳彦】