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=ひがん／彼岸=

==<span style="border: 1px solid;color: white;background-color: black;font-weight: bold;">一</span>==
彼の岸、すなわち[[悟り]]の[[世界]]、理想の[[世界]]、もしくは（[[極楽]]）[[浄土]]を比喩的に表す語として用いられる。Ⓢpāra。[[仏教]]では[[輪廻]]の迷いの[[世界]]をこちら側の岸という意味で「<ruby>此岸<rt>しがん</rt></ruby>」と呼ぶのに対し、[[悟り]]の[[世界]]のことを彼方の岸という意味で「[[彼岸]]」と称する。例えば『スッタニパータ』二一偈において、<ruby>筏<rt>いかだ</rt></ruby>（[[仏教]]の教え）で激流（欲望・[[煩悩]]）を克服して[[彼岸]]（[[悟り]]の境地）に至ると述べられているのをはじめとして、最初期の[[仏教]]から頻繁に用いられてきた比喩表現である。ただし、[[浄土教]]においては、[[彼岸]]は[[悟り]]の境地の意の他に、（[[極楽]]）[[浄土]]を意味する場合も少なくない。例えば「[[衆生]]を[[極楽]]の[[彼岸]]に運ぶ」（『[[選択密要決]]』五、[http://jodoshuzensho.jp/jozensearch_post/search/detail.php?lineno=J08_0329 浄全八・三二九上]）、「[[生死]]の[[大海]]を渡って[[極楽]]の[[彼岸]]に<ruby>届<rt>いた</rt></ruby>る」（『[[大経直談要註記]]』一四、[http://jodoshuzensho.jp/jozensearch_post/search/detail.php?lineno=J13_0185 浄全一三・一八五上]）などである。なお、この[[彼岸]]（[[悟り]]）に到ることを「到[[彼岸]]」「度[[彼岸]]」（「度」は「渡」の意）と呼ぶが、その原語はⓈpāramitāであり、これは「[[波羅蜜]]」「[[波羅蜜]]多」と音写され、そしてその「到[[彼岸]]」のための行が「[[六波羅蜜]]」となる。ただし、pāramitāは「到[[彼岸]]」ではなく、「完成」の意であるとの見解も見られる。一方、上述したような[[教義]]的な意味とは別に、「[[彼岸]]」が「[[彼岸会]]」を指す場合も多々見られる。
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【参考】定方晟「〈到彼岸〉と〈完成〉—パーラミターの語義—」（東方研究会『東方』二二、二〇〇七）
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【参照項目】➡[[彼岸会]]、[[波羅蜜]]
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【執筆者：安達俊英】


	
==<span style="border: 1px solid;color: white;background-color: black;font-weight: bold;">二</span>==
春分・秋分を中日とした、前後七日間。先亡の諸霊位に[[追善]]の誠をささげる期間。
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【参照項目】➡[[彼岸会]]
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【執筆者：編集部】