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=じょはきゅう／序破急=
序と破と急。三語の合成語。序はゆっくり、急は早く、破はその中間をいう。はじめはゆっくり、徐々に早くなっていくことをいう。もとは緩急をあらわす[[雅楽]]の用語であったが、能をはじめとする諸芸能に取り入れられた。[[雅楽]]では、[[舞楽]]や管絃の演奏上、多楽章形式を構成する楽章の名で、緩急を表現する概念である。序は明確な拍節を持たず、破は<ruby>延楽<rt>のべがく</rt></ruby>、急は破より拍子が早く<ruby>早楽<rt>はやがく</rt></ruby>が多い。世阿弥は『風姿花伝』（第三　[[問答]]条々）に「一切の事に[[序破急]]あれば、<ruby>申楽<rt>さるがく</rt></ruby>もこれに同じ。能の風情をもて定むべし」とし、単に緩急をしめすだけでなく、一日の能番組の演出的区分と一曲の脚本構成上の区分という概念を展開していった。天台[[声明]]では湛智の『[[声明]]用心集』に曲名を序曲・急破曲と区分しているように、緩急を表す概念として取り入れられた。[[浄土宗]]の[[日常勤行式]]では構成上の区分として、[[序分]]・[[正宗分]]・<ruby>[[流通]]<rt>るずう</rt></ruby>分の三分とし、序は導入部、破は展開部、急は終結部に相当し、[[序破急]]の概念を当てることができる。また[[勤行]]式、[[誦経]]、[[念仏]]など[[読誦]]法の速度表現としても用いられている。
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【参考】『続天台宗全書　法儀一　声明表白類聚』二八八（春秋社、一九九六）
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【執筆者：八木千暁】