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室の泊

提供: 新纂浄土宗大辞典

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むろのとまり/室の泊

兵庫県たつの市御津町室津。泊とは港のこと。『播磨国風土記』に「この泊まり風を防ぐこと室のごとし」とあるように、三方を山に囲まれた波静かな良港であり、三善清行の「意見封事」には、奈良時代に行基が「播磨五泊」の一つと定めたと記される、古くからの港である。平清盛が福原に遷都して瀬戸内海航路が整備されると大きく繁栄した。近世には、西国大名の参勤交代の宿所、朝鮮通信使の停泊地とされ、中世・近世を通じて瀬戸内海航路の重要中継港であった。遊女の港としても著名で『四十八巻伝』三四には、建永の法難での讃岐への配流の途次、法然が遊女に教化している姿が描かれている。


【資料】『四十八巻伝』三四


【参考】『御津町史』(御津町、二〇〇一)


【執筆者:伊藤茂樹】


室の泊(『法然上人行状絵図』巻34〈部分〉・知恩院蔵)