娑婆即寂光のソースを表示

=しゃばそくじゃっこう／娑婆即寂光=
この[[娑婆]][[世界]]がそのまま寂光[[浄土]]（寂光土）であると捉えること。ここでいう寂光とは、[[真如]]の理体そのものの[[世界]]をいう。[[天台宗]]においては四土を説くが、そのうち究極的な[[世界]]として寂光土を立て、[[法身]]の土とする。すなわち、[[凡夫]]にとって[[娑婆]]は苦しみの[[穢土]]であるが、仏の[[悟り]]の立場からみれば[[真如]][[法性]]そのもので、[[娑婆]]と寂光土は何ら異ならず、[[凡夫]]は[[煩悩]]によってそれを[[認識]]することができないだけとする。ただし、これは仏の立場において語られるもので、[[凡夫]]の立場に持ち込むと単なる現状肯定論となる点に注意が必要である。[[法然]]が『[[逆修説法]]』<ruby>六七<rt>ろくしち</rt></ruby>日において「[[娑婆]]の<ruby>外<rt>そと</rt></ruby>に[[極楽]]あり」（昭法全二七一）と述べているように、[[浄土宗]]では[[西方]][[十万億土]]の彼方に実在する[[指方立相]]の[[浄土]]とする。
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【参照項目】➡[[四身四土]]、[[寂光浄土義]]
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【執筆者：曽根宣雄】