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=てんげ／天華=
天界に咲く華、天界から降る華、すばらしく妙なる華。文字通り天上の神々たちの[[世界]]に咲く霊妙な華の意であるが、[[釈尊]]が法を説くとき、しばしば天から雨のごとく降ったり、[[梵天]]が[[釈尊]]の上に散じて[[供養]]したりする華でもある。また『[[大智度論]]』九に「[[天竺]]国の法として、諸の好き物を名づけて、みな天物と名づく。是れ人の華と非人の華とは天上の華に非ずと雖も、其の妙好なるを以ての故に名づけて[[天華]]と為す」（[http://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/SAT2018/V25.0123b.html 正蔵二五・一二三中]）とあり、また[[義山]]『[[観無量寿経随聞講録]]』下に「吹諸[[天華]]とは、天は称美の言にして、天香等と云うが如し」（[http://jodoshuzensho.jp/jozensearch_post/search/detail.php?lineno=J14_0684 浄全一四・六八四下]）とあるように、単にすばらしく妙なる華としても用いられる。なお[[天華]]に[[曼陀羅華]]・摩訶[[曼陀羅華]]・曼殊沙華・摩訶曼殊沙華の四種があることについては『[[法華経]]』一（[http://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/SAT2018/V09.0002b.html 正蔵九・二中]）に説かれている。[[浄土]]経典では『[[阿弥陀経]]』に「昼夜[[六時]]に、[[曼陀羅華]]を<ruby>雨<rt>ふ</rt></ruby>らす。その国の[[衆生]]、常に清旦をもって、各おの<ruby>[[衣裓]]<rt>えこく</rt></ruby>をもって、衆もろの妙華を<ruby>盛<rt>い</rt></ruby>れて、他方十万億の仏を[[供養]]す」（聖典一・三一六～七／浄全一・五二～三）とあり、異訳の『[[称讃浄土経]]』では「光沢香潔にして細軟雑色なるあり」（[http://jodoshuzensho.jp/jozensearch_post/search/detail.php?lineno=J01_0186 浄全一・一八六上]／[http://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/SAT2018/V12.0349a.html 正蔵一二・三四九上]）と説明されている。また『[[観経]]』では、王宮に[[釈尊]]が現れると「釈・梵・護世の諸天、[[虚空]]のなかにありてあまねく[[天華]]を雨らしてもって[[供養]]したてまつる」（聖典一・二八九～九〇／[http://jodoshuzensho.jp/jozensearch_post/search/detail.php?lineno=J01_0038 浄全一・三八]）とあり、[[下品]]中生にも「[[地獄]]の猛火、化して清涼の風となって、諸もろの[[天華]]を吹く。華の上にみな[[化仏]]・[[菩薩]]ましまして、この人を<ruby>[[迎接]]<rt>こうしょう</rt></ruby>す」（聖典一・三一二／[http://jodoshuzensho.jp/jozensearch_post/search/detail.php?lineno=J01_0014 浄全一・一四]）とある。
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【参照項目】➡[[曼陀羅華]]
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【執筆者：齊藤隆信】