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唐高僧伝

提供: 新纂浄土宗大辞典

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とうこうそうでん/唐高僧伝

三〇巻。具名は『続高僧伝』。『唐伝』とも略称される。道宣撰。唐・貞観一九年(六四五)述。梁代から貞観年間に至る諸々の高僧の列伝を集めたもの。『梁高僧伝』の科段を参考に訳経・義解・習禅・明律・護法・感通・遺身・読誦・興福・雑科の一〇科に分けられる。本書の成立過程は複雑で、高麗版大蔵経を底本とする『正蔵』所収本は、貞観一九年を初稿本として、道宣自身によって同二三年に増補、また『大唐内典録』収載の『後集続高僧伝』一〇巻(現存せず)が付加され、さらに後人によって増補されたと考えられている。そのため諸本間における収録人数・巻数も大きく異なり、高麗版の自序には正伝三四〇人・附伝一六〇人とあるのに対し、明版(四〇巻)では同四八九人・二一三人と大幅に増えている。浄土五祖は正伝として曇鸞(義解篇)・道綽(習禅篇)が収録される。貞観二三年増補の際に善導伝(遺身篇)が付加されており、善導在世当時の行状を知る唯一の資料であるが、ここでは善導の捨身事件に特化した記事が紹介されているのが特徴的である。


【所収】正蔵五〇


【参考】伊吹敦「『続高僧伝』の増広に関する研究」(『東洋の思想と宗教』七、一九九〇)、柴田泰山『善導教学の研究』(山喜房仏書林、二〇〇六)


【執筆者:石上壽應】