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千観

提供: 新纂浄土宗大辞典

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せんかん/千観

延喜一八年(九一八)—永観元年(九八三)一二月一三日。天台宗の僧。摂津国の人で相模守橘敏貞の子。幼くして園城寺に入り、顕密二教を学び、内供奉十禅師となり、しばしば朝廷の招請を受けた。応和二年(九六二)摂津国箕面山に隠遁浄土行へ傾倒、翌年、旱魃に際し、勅命により降雨を祈り功績をあげるなど、常に民利を第一とし、民間布教者としても活躍した。また、園城寺に住するころから、阿弥陀仏信仰に造詣深く日想観を行じていた。千観浄土教関係の著作には『十願発心記』『極楽弥陀和讃』などがある。


【参考】津村諦堂『日本浄土教之研究』(山喜房仏書林、一九八〇)


【執筆者:和田典善】