前伽陀のソースを表示

=ぜんかだ／前伽陀=

==<span style="border: 1px solid;color: white;background-color: black;font-weight: bold;">一</span>==
[[伽陀]]の一つ。[[法要]]の開始部分に用いられるところから[[前伽陀]]といい、おもに[[光明]][[伽陀]]を用いている。この[[伽陀]]は『[[観経]]』の「[[光明徧照]]　[[十方]][[世界]]　[[念仏]][[衆生]]　[[摂取不捨]]」（聖典一・一六六／[http://jodoshuzensho.jp/jozensearch_post/search/detail.php?lineno=J01_0044 浄全一・四四]）の句で、[[日常勤行式]]では[[摂益文]]という。[[阿弥陀仏]]の[[光明]]はすべての人々を[[平等]]に照らし出し、[[念仏]]を称える人々を摂取することを意味している。信行が増長し[[護念]]をされるよう願って唱えている。[[浄土宗]]の基本的かつ重要な偈文であり、[[光明徧照]]・[[念仏一会]]・願以此[[功徳]]の一連の[[法要]]形式は[[浄土宗]]の全[[法要]]の基本となり、現在の[[御忌会]]の[[次第]]もこれによっている。[[知恩院]]の[[御忌]]では、[[唱導師]]が[[入堂]]するときに唱えている。[[金戒光明寺]]の[[御忌]]では、[[唱導師]]が[[入堂]]するときに[[敬礼]][[伽陀]]を[[前伽陀]]として唱えている。
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【参照項目】➡[[摂益文]]
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【執筆者：大澤亮我】


	
==<span style="border: 1px solid;color: white;background-color: black;font-weight: bold;">二</span>==
[[増上寺]][[御忌]][[大会]]などでは[[献供]]のときに[[伽陀]]として唱えることがあり、最も多く唱えられている。また[[授戒会]]の正[[授戒]]のときに[[伝戒師]]が[[転座]]する間にも唱えている。「光」の唱え方は特別な発声法で[[口伝]]がある。[[伽陀]]の由（ユリ）は、「[[四智讃]]」のユリと違い、「讃三年[[伽陀]]七年」といわれている。[[伽陀]]には「柳」が唱えられ、この旋律では柳の葉からしずくが落ちる情景を写実的に唱えるのが[[縁山声明]]の特色である。[[縁山声明]]は「[[前伽陀]]」が「[[摂益文]]」であり、これに対して「[[総回向偈]]」は「[[後伽陀]]」と称している。
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【参照項目】➡[[摂益文]]
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【執筆者：西城宗隆】


	
==<span style="border: 1px solid;color: white;background-color: black;font-weight: bold;">三</span>==
「[[引声阿弥陀経]]」の経前の「<ruby>甲<rt>かん</rt></ruby>[[念仏]]」のこと。[[増上寺]][[御忌]]・鎌倉[[光明寺]][[十夜会]]では[[献供]]のときに唱えている。「<ruby>[[南無阿弥陀仏]]<rt>んなんもあびいいたうわあふう</rt></ruby>　[[阿弥陀仏]]　[[阿弥陀仏]]」（『[[浄土宗法要儀式大観]]』二、一四九、名著普及会、一九八七）。経段（[[阿弥陀経]]）の前後には三句の[[念仏]]を唱える。この[[甲念仏]]には二種類の旋律が付されている。経後の「[[甲念仏]]」を「[[後伽陀]]」ともいう。
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【資料】「『浄土宗声明』—祖山流声明・縁山流声明—」（浄土宗、二〇〇四）
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【参照項目】➡[[甲念仏]]
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【執筆者：西城宗隆】