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=えんまん／円満=
—建治二年（一二七六）。[[隆寛]]の[[門弟]]。[[房号]]は[[願行]]房。鎌倉[[安養院]]の[[開山]]。諸国を[[遊行]]し、常陸国久慈（茨城県常陸太田市）の[[阿弥陀山]]で源頼朝[[菩提]]のために<ruby>[[迎講]]<rt>むかえこう</rt></ruby>や[[往生講]]を行い、その後再び諸国を[[遊行]]し鎌倉の稲瀬川において[[迎講]]を行い、当地に祇園山[[安養院]]を建立し[[開山]]となる。稲瀬川の[[迎講]]は後に[[門弟]]が相続し「[[安養院]]の[[迎講]]」と称されたという。なお[[東寺]]大[[勧進]]の[[願行]]房<ruby>[[憲静]]<rt>けんじょう</rt></ruby>は別人で、江戸期に成立の『[[本朝高僧伝]]』『律苑僧宝伝』には[[憲静]]の伝に[[円満]]の事績が混入されており注意を要する。
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【資料】『述懐鈔』（続浄九）
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【参考】白石克「真言宗系譜に見られる鎌倉期古刊経出版関係者について—憲静・能海・性海—」（『金沢文庫研究』二一—六、一九七五）、堤禎子「願行房と常州阿弥陀山—東国における鎌倉後期の仏教の展開をめぐる二、三の問題—」（『茨城県立歴史館報』一〇、一九八三）
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【参照項目】➡[[憲静]]
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【執筆者：伊藤茂樹】