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五眼

提供: 新纂浄土宗大辞典

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ごげん/五眼

五つの眼力。すなわち肉眼・天眼・慧眼・法眼仏眼をいう。Ⓢpañca-cakṣus。大乗仏教において修行の段階に応じて具わる五つの能力を眼に喩えたもの。『大品般若経』で盛んに説かれ、『大智度論』三三では各眼について詳説する。①肉眼とは、われわれ凡夫の肉身に具わる眼で、さえぎるものがあれば見えない眼。②天眼とは、天人に具わる眼で、遠近・前後・内外・昼夜・上下に妨げなく見えるが、因縁によって成り立つ仮象のみを見て諸法の実相を見ない眼。③慧眼とは、二乗に具わる眼で、実相の理を見るが分別がないので衆生利益できない眼。④法眼とは、菩薩に具わる眼で、一切の法門を照見するがあらゆる衆生を救う力がない眼。⑤仏眼とは仏に具わる眼で、一切を見通し知る力があり前の四眼をすべて備える眼。『無量寿経』下では「肉眼清徹にくげんしょうてつにして、分了ならずということなく、天眼通達して、無量無限なり。法眼観察して、諸道を究竟す。慧眼、真を見て、能く彼岸に度る。仏眼具足して、法性を覚了す」(聖典一・二五八/浄全一・二二~三)と説き、極楽浄土菩薩が備える功徳の一つとして五眼があるとする。


【参照項目】➡仏眼


【執筆者:北條竜士】