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中論

提供: 新纂浄土宗大辞典

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ちゅうろん/中論

四巻。龍樹著。鳩摩羅什訳。龍樹が空性を説いた書。Ⓢmadhyamaka-śāstra。中観派の基本典籍であり、また『十二門論』『百論』とともに三論宗の基本典籍である。鳩摩羅什訳の『中論』は、龍樹が著した偈頌に、青目しょうもくが施した註釈を付した典籍。本書は全二七章からなり、諸法が空であることや、空性の意味を説いている。龍樹が著した偈頌をとくに『根本中論頌』Ⓢ(mūlamadhyamaka-kārikā)と呼ぶ。『中論』は漢訳が示すように、龍樹が著した本頌と、龍樹以外の人物によって付された註釈とによって成り立っている論書であり、『根本中論頌』はその論書から偈頌の部分を抜き出して、再構成したものである。


【参照項目】➡龍樹鳩摩羅什


【執筆者:編集部】