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一切経

提供: 新纂浄土宗大辞典

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いっさいきょう/一切経

仏教の典籍を集成したもの。または大蔵経ともいう。中国では衆経、一切衆経とも呼ばれていた。東晋の道安が著した『綜理衆経目録』には「衆経」とあり、南北朝時代の北朝では北斉の魏収に「北斉三部一切経」という撰文が『広弘明集』二二にある(正蔵五二・二五七上)。また、隋の『天台智者大師別伝』には「造寺三十六所、大蔵経十五蔵」(正蔵五〇・一九七下)とある。一切経は仏の教説を伝える経、仏の教誡を伝える律、仏の教説を解釈した論のいわゆる三蔵を中心として、それに中国・韓国・日本で撰述された著書なども加えられる。当初、中国ではインドから伝来した仏典が無秩序に翻訳されていた。そのため、翻訳された仏典は一定の基準の下に整理されたが、これは散逸を防ぐ目的もあった。日本にも仏教伝来と同時期に多くの仏典が伝来したが、当時の日本仏教の水準が中国のように高くなかったため、伝来した仏典をすべて書写していた。最初、一切経は書写されていたが、印刷技術の発達によって宋以降は木版摺りで刊行される。刊本の一切経が誕生すると、その流布は中国を中心としてその周辺諸国に広まった。


【参考】大蔵会編『大蔵経—成立と変遷』(百華苑、一九六四)、小笠原宣秀「大蔵経の成立と開版」(結城令聞他編『講座仏教』四、大蔵出版、一九五八)


【参照項目】➡大蔵経


【執筆者:馬場久幸】